恋愛事情〜隼side〜 ページ25
欲しい本を探しに入った書店でAちゃんを見つけた。
夢中になって雑誌を読む彼女は、俺が後ろに立っても横に並んでも気付かない。
少しがっかりした気持ちで、自分の買い物を済ませ、店の外で彼女が出て来るのを待った。
連絡は取っていても、会ったのはずいぶん久しぶりだった。
俺の姿を見つけ、心底驚いた表情をするAちゃん。
隼『クリボッチかよ(笑)寂しいな(笑)』
A『自分だって同じでしょ？』(笑)
隼『夢中で雑誌読んでて、俺の存在に気付かないし…。隣にいたのにさ。』
A『ごめ〜ん。前に担当してたアーティストの記事読んでたから。』
隼『暇？』
A『暇…だと思うよ(笑)隼君は？暇なら付き合ってよ』
彼女は、家族へのプレゼントを用意すると言う。
なんとなく、ずっと昔からの友達の様に、Aちゃんと一緒にいるのが楽だ。
ぶっちゃけ、俺の恋愛事情を知ってる唯一の人でもあるわけだし。
メンズファッションの店内を、それぞれ見ていた時、俺の耳に聞き覚えのある女の声が聞こえた。
**『私はこっちがいいと思うわ。それ、あなたにはちょっと地味よ。』
咄嗟に棚の陰に身を隠した。
楽しそうに仲睦まじく 洋服を選んでいるカップル。その女は、紛れもなく俺が好きになった彼女だった。
同じ空間にいるのが不思議だった。
顔を合わせないように、二人の様子を物陰から探っている自分。
そんな俺の様子に、Aちゃんが気付かない訳がなかった。
俺の知らない彼女の姿や、俺との情事の度に言ってた事と、あまりにも違う現実を目の当たりにして軽くパニックになっていた。
スッと隣に並んだAちゃんは、ただ俺の手を握った。
A『あの女性(ひと)なのね…。仲良さげじゃない。』
隼『あぁ…。やっぱり俺、騙されてたんだな…。』
A『現実を受け入れるなら、今 私の事利用しなよ。フラレるんじゃなくて、傷付くんじゃなくて、あの女性も夢見るのを終わらせてあげなきゃ…』
その言葉に驚いて彼女を見ると、その視線は真っ直ぐあの女性に向けられていた。
俺は、Aちゃんと手を繋ぎ、わざと彼女の前で恋人のふりをした。
Aちゃんは、それに上手く合わせてくれた。
自分でも良くできた芝居だった。本当の大芝居だった。
彼女と一瞬絡み合った視線。
驚きと怒りに満ちた表情。
それはまるで、ペットに咬まれた飼い主のようだった。
俺は、Aちゃんの一言で、彼女との泥沼の関係を終わらせる事が出来た。
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xiulove(プロフ) - この小説が好きです!!!それだけでも伝えたくて… (2019年8月24日 18時) (
レス) id: 855436cca3 (このIDを非表示/違反報告)
xiulove(プロフ) - 返信ありがとうございます。先程も失礼しました。初めて読んだとき、おもいっきりのめり込んでしまいました。それからも急によみたくなり…続きを見つけては読んでという感じでした。無理はしないでください!!!待ってるといいながら矛盾してるかもですが… (2019年8月24日 18時) (レス) id: 855436cca3 (このIDを非表示/違反報告)
慧(プロフ) - xiuloveさん» 気が変わったらこのままか更新しますね (2019年8月24日 18時) (レス) id: 46991f216e (このIDを非表示/違反報告)
xiulove(プロフ) - えっ( ・д・)そうなんですか(；ω；) (2019年8月24日 18時) (レス) id: 855436cca3 (このIDを非表示/違反報告)
慧(プロフ) - xiuloveさん» ありがとうございます。実は思うところがあり、このまま更新せずに、全部消してしまおうかと悩んでおります (2019年8月17日 19時) (レス) id: 46991f216e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：慧 | 作者ホームページ：http://ameblo.jp/kei3339/
作成日時：2014年5月15日 16時
