日本 2 ページ17
私は、彼女から預かった封筒を無くさないように、背負っていたリュックの中にしまった。
ソンジェ『帰れないのですか？』
A『私は、１年間日本の学校で学ぶ為に帰国しました。それに、みんなが大変な状態なのに、ここから離れるわけにはいきません。』
きっぱりと言い切った彼女に、凛とした強さを感じた。
数日間そこで過ごした私達の部隊は、被災した人達の悲しみ、怒り、絶望を目の当たりにした。
そして、日本人の美徳には感心させられた。
こんな状況下の中、略奪や暴動が起きてもおかしくないのに、日本人は整列し、順番を守りながら配られる食料や物資を受け取るのだ。
そして、自分より弱い人を優先する心を、皆が持っている。
我が国でこれだけの災害が起きた時、国民は、日本人のような振る舞いが出来るのか考えさせられた。
私は、彼女から託された手紙を届ける約束をして、任務を終えて帰国した。
すぐにSMエンターテイメントへ出向きたかったのだが、報告書の作成や他の任務に追われ、それが叶わずにいた。
気になりながら過ごしていたのが、いつしか彼女の事自体忘れてしまっていた。
暫くぶりの休日に友人とソウルの繁華街に出掛けた時、思わぬ形で彼女と再会した。
普段は気にも止めずに通り過ぎる店の前で、引き寄せられるように足を止めた。
ソンジェ『なぁ、このポスターの女性は？』
友人『お前知らないのか？モデルのAIだよ。大手の化粧品メーカーのイメージモデルだよ。CMも流れてるだろうよ。まったく疎いよなぁ(笑)』
間違いない。彼女だ！あの時日本で会話を交わしたAさんだ。
ソンジェ『もしかして……、SMエンターテイメント所属か？』
友人『あぁ、そのはずだけど。しかし、綺麗な人だよなぁ。１度でいいから、生で見たいよ。』
友人の話しは、途中から耳に入らない。
それより、あの日自分に託された手紙の事を思い出していた。
ソンジェ『悪い、用事があったの忘れてた』
私は急いでSMエンターテイメントに向かった。
入り口の警備員に、社長のキム・ヨンミン氏に面会したい旨を話す。
どんな用件か、身分証はあるか、根掘り葉掘り聞いてくるが、一向に取り次いでくれる気配は無かった。
ソンジェ『せめて、電話でもいいから直接話しをさせて下さい。大切な話しです。』
渋々その警備員はヨンミン氏に電話をする。
受話器を渡され、やっと話しが出来た時、すでにあの日から半年以上が経っていた。
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xiulove(プロフ) - この小説が好きです!!!それだけでも伝えたくて… (2019年8月24日 18時) (
レス) id: 855436cca3 (このIDを非表示/違反報告)
xiulove(プロフ) - 返信ありがとうございます。先程も失礼しました。初めて読んだとき、おもいっきりのめり込んでしまいました。それからも急によみたくなり…続きを見つけては読んでという感じでした。無理はしないでください!!!待ってるといいながら矛盾してるかもですが… (2019年8月24日 18時) (レス) id: 855436cca3 (このIDを非表示/違反報告)
慧(プロフ) - xiuloveさん» 気が変わったらこのままか更新しますね (2019年8月24日 18時) (レス) id: 46991f216e (このIDを非表示/違反報告)
xiulove(プロフ) - えっ( ・д・)そうなんですか(；ω；) (2019年8月24日 18時) (レス) id: 855436cca3 (このIDを非表示/違反報告)
慧(プロフ) - xiuloveさん» ありがとうございます。実は思うところがあり、このまま更新せずに、全部消してしまおうかと悩んでおります (2019年8月17日 19時) (レス) id: 46991f216e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：慧 | 作者ホームページ：http://ameblo.jp/kei3339/
作成日時：2014年5月15日 16時
