途絶えた連絡〜ユノside〜 ページ48
日本で起きた大震災。
直後にAと話した後、ぷっつり途切れた連絡。
彼女と話した後 日本を襲った津波。
テレビでは、巨大な津波と壊滅状態の街の様子が繰り返し流れていた。
時間が経つにつれ、被害の大きさが伝えられて行く。
何度かけてやも繋がらない電話。返って来ないメール。
僕は、Aの安否が分からない事に 不安ばかりが募っていった。
チャンミン『Aはどこにいたんですか……?』
ユノ『仙台よりもう少し北の海の側にある、おじいさんの家……』
チャンミン『…大丈夫ですよ。きっとどこかに逃げてますよ…。ヒョンが信じないと…。』
ユノ『わかってる。わかっているけど…。』
思うように動けない僕達の代わりに、マネージャーヒョンが、SMJAPANやavexのスタッフを通して彼女の行方を探していた。
ユノ『Aのお兄さんは?マネヒョン!薫さんに連絡付けて!日本の僕達のスタッフだよ。』
僕は、いちるの望みをかけた。しかし、日本スタッフからの返事に愕然とした。
スタッフ『薫さん…。震災で安否の分からない身内を探しに被災地に行っています。あちらは、携帯も繋がらないようですから すぐには連絡がつかない状態です。』
僕は、自分の足が地に着いているのかさえも分からなくなっていた。
チャンミナが支えてくれてなかったら、ショックで倒れたかもしれない。
何をどう考えても、僕の頭には最悪な事しか浮かばなくなっていた。
最愛の人の行方が分からなくなった今、励ましも慰めも、ただ虚しい言葉の羅列にしか聞こえない。
ユノ『チャンミナ…マネヒョン…。事実がわかるまで、Aの事は黙って居よう。』
日本との距離がこんなに遠く感じられたのは初めてだった。
そして、自分が芸能人であることを悔やんだ。
こんな仕事をしていなければ、すぐに飛んで行って彼女を探せるのに……。
マネージャー『ユノ…、今のお前には酷だと思うが、日本のファンに向けてのメッセージを録ると事務所から連絡が入った。出来るか?』
ユノ『…わかりました。』
チャンミナと二人でカメラの前に立つ。彼女が、Aが必ず見てくれる事を信じて収録したメッセージ動画。
無事でいてくれる事を信じて…。
しかし、1ヶ月、2ヶ月……半年。
虚しく繰り返される電話の音は、何時しか機械から流れる不在着信の音声に変わっていった。
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そらぞう(プロフ) - はい!楽しみに待ってます! (2014年5月15日 20時) (レス) id: f7e9c2c335 (このIDを非表示/違反報告)
慧(プロフ) - そらぞうさん» コメントありがとうございます。あとは、afterstoryの方でそれぞれのお話を書けたらと思ってます。キュヒョンとの絡みもあるかも?しれないですよ。 (2014年5月15日 18時) (レス) id: b16b47566a (このIDを非表示/違反報告)
そらぞう(プロフ) - ホントのラストですか…?お疲れ様でした~。私としてはきゅひょんさんとのラストを期待していましたが、こういう落ち着き方何ですね。長く追い掛けてきて何度も涙しました。ありがとうございました!! (2014年5月15日 16時) (レス) id: 62b339f5e3 (このIDを非表示/違反報告)
慧(プロフ) - あやさん» コメントありがとうございます。只今、ラストを下書きしています。何度も書き直してまして、まだアップできません。お待ち下さいませ。 (2014年5月15日 14時) (レス) id: 35097dfc61 (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - ここに来ての初コメです・・・とうとう終わりが来てしまいますね ライブの前日のようなドキドキを味わっています。とっても楽しませてもらいました ありがとうございます!! (2014年5月15日 14時) (レス) id: 01b01bc73b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:慧 | 作者ホームページ:http://ameblo.jp/kei3339/
作成日時:2013年12月15日 18時