帰国と暫しの別れ ページ46
日本での仕事を終え、二人が韓国に帰国する日。
空港まで見送りに行った私の手には、数日分の着替えが入ったカバン。
ユノ『どこか行くの?』
A『おじいちゃん家。従兄弟が進学で東京の学校に入るから迎えに行くの。』
チャンミン『体に気を付けて。無理は禁物だからね。』
ユノ『電話する。メールも…。待ってるから。帰って来るの…。日本での仕事がある時は、必ず連絡するから……』
A『ん…。ユノ、今が踏ん張り時だけど、無理だけはしないでね。日本にいても、二人の事はいつも見てるから。』
マネージャーとチャンミンが気を利かせてその場を離れた。
ユノは、私を優しく抱き締めた。
ユノ『1年後、この前の返事聞かせてよ。A…、愛してる。』
ユノの唇が、私の唇に重なる。
一般の人が入る事の出来ない空港の特別な場所で、お互いのぬくもりを確かめるように抱き合う二人。
韓国行きの搭乗アナウンスが流れると、どちらからともなく体を離す。
手を繋いだままの二人の元に、マネージャーとチャンミンが戻って来た。
A『チャンミン。ユノの事、お願いね。』
チャンミン『ん…。わかってる』
マネージャー『Aさん、元気で。また一緒に仕事出来るのを楽しみにしてます』
私は頷いて、微笑み返した。
3人とハグを交わし、搭乗口に向かう背中を見送った。
そして展望デッキに上がると、韓国に向かって飛び立った飛行機を見上げる。
見送りに来ていたファンが退けた頃、私は国内線の飛行機の搭乗手続きを済ませ電話をかけた。
A『これから飛行機に乗るから。空港からは電車かな?着くのは夕方になりそう』
父方の従兄弟が大学進学の為上京する。
卒業式が終わったばかりの彼は、私の実家から大学に通う事になっている。
小さい時から、会えば私の後を付いてまわり、『姉ちゃん、姉ちゃん』と慕ってくれていた。
末っ子の私は、弟が出来たみたいでとても嬉しかった。
年に数回しか会えない割に、私は彼らの恋愛事情まで知っている。
インターネットが普及している今、メールやSNSを使って繋がるのは簡単な事だ。
降り立った空港は雪が舞っていた。
A『寒っ!』
子供の頃、夏休み中祖父の家で過ごした。息子しかいない叔母は、私を娘として扱ってくれる。
あの忌まわしい事件の後、暫くマスコミから身を隠したのも此処だった。
電車に乗り海側へ。
降り立ったのは、沿岸の比較的大きな街の駅だった。
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そらぞう(プロフ) - はい!楽しみに待ってます! (2014年5月15日 20時) (レス) id: f7e9c2c335 (このIDを非表示/違反報告)
慧(プロフ) - そらぞうさん» コメントありがとうございます。あとは、afterstoryの方でそれぞれのお話を書けたらと思ってます。キュヒョンとの絡みもあるかも?しれないですよ。 (2014年5月15日 18時) (レス) id: b16b47566a (このIDを非表示/違反報告)
そらぞう(プロフ) - ホントのラストですか…?お疲れ様でした~。私としてはきゅひょんさんとのラストを期待していましたが、こういう落ち着き方何ですね。長く追い掛けてきて何度も涙しました。ありがとうございました!! (2014年5月15日 16時) (レス) id: 62b339f5e3 (このIDを非表示/違反報告)
慧(プロフ) - あやさん» コメントありがとうございます。只今、ラストを下書きしています。何度も書き直してまして、まだアップできません。お待ち下さいませ。 (2014年5月15日 14時) (レス) id: 35097dfc61 (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - ここに来ての初コメです・・・とうとう終わりが来てしまいますね ライブの前日のようなドキドキを味わっています。とっても楽しませてもらいました ありがとうございます!! (2014年5月15日 14時) (レス) id: 01b01bc73b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:慧 | 作者ホームページ:http://ameblo.jp/kei3339/
作成日時:2013年12月15日 18時