彼の本音 ページ35
唇を離したユノは、潤んだ瞳で私を見つめる。
ユノ『本当は、ずっと僕の腕の中に仕舞っておきたい…。離したくない。どこにも行かせたくない……。』
A『ユノ…。ゴメンね。ワガママで…。』
ユノ『頭では 理解してるんだけど……。Aのステップアップのためだって……。でも、心がね……』
A『1年経ったら帰ってくるから。必ず。ユノに相応しい人になって帰って来るから…。』
ユノ『あと2週間。ここから…仕事に行ってもいいかな?仕事以外の時間は、ずっと一緒にいたいんだ……。』
A『2度と会えなくなる訳じゃないのに』(笑)
茶化した私をグッと引き寄せ、またキスをしようとするユノ。
唇が触れる寸前で囁く。
ユノ『それだけ、僕にとって今は君が全てなんだよ……』
そしてまた唇が重なる。切ない想いが交差する。
先へ進もうとする彼の手を阻む、キッチンからの電子音。
A『ユノ…。ダメよ…。まだ、明るい…。ケーキ、焼け……たから。』
ユノ『無理…。止められない……』
A『せっかくユノの為に作ったのに……。食べれな……くなっ……あぁ…』
どんなに抵抗を試みても、欲望に支配された彼を止める事は出来なかった。
その彼の愛撫に抗えず、激しい快感に身をまかせてしまう。
日差しが差し込む部屋での行為を終えた後、ユノは自分が着ていたシャツを私に掛け、バスルームへ消えて行く。
そのシャツに袖を通し、ちらかった衣服を拾い上げ髪を纏める。
彼の悲しみは、私の中へと注ぎ込まれた。でも今さら変えられない現実。
暫くすると、上半身裸のままバスタオルで髪をガシガシ拭きながらユノが戻って来た。
ユノ『Aも、シャワー浴びる?ゴメン、ちょっと強引だった……』(笑)
私は首を横に振ると、お仕置きのつもりで、彼の鼻を摘まんだ。
シャワーを浴びて出て来た時には、ユノはソファーで寝息を立てていた。
毛布を掛けて、キッチンでケーキの仕上げにとりかかる。
気持ちよさそうに眠る彼が起きたのは、日も沈みかけた頃だった。
ユノ『A!あれ?僕…寝ちゃったの?』
起き上がった彼は項垂れる。
ユノ『せっかく一緒に居たのに……』
A『ここから仕事行くんでしょ?毎日一緒に居るんでしょ?』(笑)
ユノ『うん……』
A『だったらいいじゃない。それと…』
私の話し出した内容に彼の目が丸くなった。
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そらぞう(プロフ) - はい!楽しみに待ってます! (2014年5月15日 20時) (レス) id: f7e9c2c335 (このIDを非表示/違反報告)
慧(プロフ) - そらぞうさん» コメントありがとうございます。あとは、afterstoryの方でそれぞれのお話を書けたらと思ってます。キュヒョンとの絡みもあるかも?しれないですよ。 (2014年5月15日 18時) (レス) id: b16b47566a (このIDを非表示/違反報告)
そらぞう(プロフ) - ホントのラストですか…?お疲れ様でした~。私としてはきゅひょんさんとのラストを期待していましたが、こういう落ち着き方何ですね。長く追い掛けてきて何度も涙しました。ありがとうございました!! (2014年5月15日 16時) (レス) id: 62b339f5e3 (このIDを非表示/違反報告)
慧(プロフ) - あやさん» コメントありがとうございます。只今、ラストを下書きしています。何度も書き直してまして、まだアップできません。お待ち下さいませ。 (2014年5月15日 14時) (レス) id: 35097dfc61 (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - ここに来ての初コメです・・・とうとう終わりが来てしまいますね ライブの前日のようなドキドキを味わっています。とっても楽しませてもらいました ありがとうございます!! (2014年5月15日 14時) (レス) id: 01b01bc73b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:慧 | 作者ホームページ:http://ameblo.jp/kei3339/
作成日時:2013年12月15日 18時