5話 ページ7
困った…非常に困った！
？「待て！狗威〜！！！！」
貴「嫌ー！！勘弁してください〜！！」
…遡ること30分前。
貴「よし、桜木さんの事いっぱい見るぞ〜♪」
やっと授業が終わって、バスケ部の見学が出来ると思ったら…
？「狗威ィ、久しぶりだな」
貴「あ…青田さん…」
青田「お前もう部活は決まったか？やはり、柔道部だろう？」
貴「やめてください！学校に居る間は家の事とか柔道の事忘れたいんです〜！！」
青田「あ、こら待て！」
青田さんは中学の時、試合でよく鉢合わせていた。
私は昔から柔道や他のことに対してみんなに天才だと言われてきた。私はそれが苦痛で仕方がなかった。
「お前にはできて当然だろ。だからってできないやつを見下すなよ」
なんて、見下したつもりは無いのにみんなに言われる。なんでこんな身体で産まれてきたんだろうと思った。それに、女である事を恨んだ。
小学5年生になったある日、昔から仲が良かった幼馴染の楓がまたバスケの腕を上げていた。泣いていた私を心配して、でも慰め方がわからなかった楓は私にバスケットボールを渡して「ゴールに入れてみろ」と言った。
バスケは見る方が好きだったから、やった事がなかったけどきっと入るんだろうとどこかで思っていた。
しかし、ボールは全く違うところへ飛んでいった。
私は何度も狙って投げたがボールは面白いくらいゴールに入らなかった。
それを見た楓は過去一の笑い声を上げた。「お前にだって出来ないことがあるんだ」って。私は、楓の笑い声につられて笑った。私にもできないことがあった。だから私は、私には真似できない楓の天才プレーを見るのが大好きになった。
青田さんから逃げ切ったかと思った時、目の前にいた誰かにぶつかった。
？「痛ェな！何す…女性！？」
貴「追われてるんです、匿ってください！」
そう言うとその人は黙ってどこかの部屋の中に入れてくれた。
青田「狗威ー！どこに行ったー！！」
青田さんの声が徐々に遠のいていく。やっとバスケ部の見学に行ける…
貴「ホッ…助かりました！ありがとうございま……」
顔を見て例を言おうとすると、そこには、
貴「さ、さ、桜木…さん…？！」
桜木「？貴方どこかで…」
貴「あ…えっと…練習試合観に行ってた奴です…！」
桜木「ああ！練習試合でしたか！」
す、すごい、すごい私！桜木さんと話してる！！
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作成日時：2021年1月19日 1時
