幼馴染の特権ってやつは、 (ページ6)

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4話ページ6

黒板に自分の名前を書くって言うのは案外恥ずかしいね…

貴「狗威Aです。諸事情で東京に行っており、遅れて入学しました。よろしくお願いします。」

ニコッと愛想よく笑ってみせると、周りが拍手で迎えてくれた。よかった…このクラスの人達はまともそう………

後ろの方の女子軍団はめっちゃ私の事睨んでたけど…

教師「えー、じゃあ狗威さんと仲良くなるために、質問コーナーでもしましょうか！なにか質問のある方は？」

そう言うと前に座っていた男子達が手を挙げた。

「狗威さんって、彼氏いんの？」

貴「残念ながらいません」

そう言うと周りがザワザワしだした。

「俺にもワンチャンあるんじゃね！？」

「あるわけねーだろ笑」

うるせー…と思ってる中、後ろの女子軍団がスっ、と手を挙げた。

「流川楓くんは、彼氏じゃないんですかー？」

なぜ楓…？と思ったが、私は冷静に答える。

貴「楓はただの幼馴染です。親同士が仲良しで家も近くだったので。彼氏じゃないですね」

そう言うと女子は鼻で笑いながら

「なにそれ、自慢かよ笑」

と言ってきた。いや…聞いたのお前だろ。

恐らく後ろの方の女子軍団の塊は楓の事が好きなのだろう。お気の毒に…だって、楓が女の子と付き合ってるの見た事ないし、告白をOKしてる所も見た事ない…

するとここでタイミング良くチャイムが鳴った。

教師「じゃあ、次は移動授業だから、早めに移動するように！狗威さんの席は左後ろの席ね！」

よりによって女子軍団の近くかよ…やだな…

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昼休み

私は、7組覗いてもいいかな…という好奇心に襲われていた。桜木さんは何をしているんだろう…ご飯ちゃんと食べてるかな…

貴「悩んでてもダメだな！行こう！」

そう決めて教室を出ようとした時誰かに腕を掴まれた。

周りからはキャーキャーと黄色い歓声が聞こえてくる。

流川「おい、どこ行くんだよ」

貴「げっ、楓…」

つい、「げっ」という言葉が出てしまうと楓はあからさまに機嫌の悪い顔になる

貴「ちょっと…7組見に行こうかな～…と…」

流川「なんで」

貴「いやほら…桜木さんを～…」

流川「飯食うから、座れ」

貴「はい…」

仕方ない…放課後バスケ部覗こう…

流川「…A」

貴「？嫌いな具でもあった？」

流川「放課後…バスケ部見に来るか」

なんて、ナイスなタイミング！

貴「行く！楓のプレー久しぶりに見たいからね」

そう言うと楓は少し笑った。