財団の人間、調査する。 (ページ10)

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ログ3:爆発音ページ10

原作の二日目って濃くない？
＿＿＿
医務室を出て数分、爆発音が聞こえた。
「爆発……え？」
遥は普段一般人の日常に爆発が絡む事はないと思っているが、「そんなことはない」とでも言うように鳴り響いた音に思わず疑問を呈した。
「国木田先輩、今の爆発音って」
「ポートマフィアでしょう」
しれっとそう言った国木田だが、この反応はつまり聞き慣れているという解釈で良いのだろうか。
「よくあるんですか、こういう事」
「ええ、偶に」
そう言ってきた国木田に遥は最大限意味が分からないという顔をしてみせる。
「……そんなに気になるなら行ってきたらどうです」
「ええ、そうします」

爆発音が聞こえた方に見当を付けて行ってみると、そこには既に一般人が集まっていた。
会話が聞こえてくる。
「皆殺しだッてよ」「非道い……」
「軍警が言うにはマフィアの武闘派、その中でも凶暴な実働部隊"黒蜥蜴"って奴らの仕業だって」
「特殊部隊なみに戦闘術を持ち、しかも恐ろしく残酷だとか」
───なるほど、あの爆発音はマフィアの仕業だったか。
そう考えて納得してしまった遥は慣れって恐ろしい、と自分の事ながら少し恐怖を覚えた。

一通り現場を見終えて探偵社に帰る。
国木田の手伝いで書類を持って後を着いていくと、大荷物を背負って浮かない顔をした敦と鉢合わせた。
「こんな所に居ったか小僧、お前の所為で大わらわだ。手を貸せ、こいつを─」
国木田が敦に話し掛けるが、敦は何も言わずに自分達の横を通り過ぎる。
国木田が呼び止めると、振り返ってこう言った。
「……心配いりません、これでもう探偵社は安全です」
「……はぁ？」
国木田の疑問を余所に走り去っていった敦。
そこで遥が聞いてくる。
「そういえば、敦君ってどういう経緯でここに入ったんですか？」
「ん？嗚呼、そういえば言っていませんでしたね。彼奴は─」

「成る程」
社に帰りつつ国木田が事のあらましを話し終えたところで、遥は大きく相槌を打った。
軍警からの依頼で太宰と2人で虎探しをしていたところ、孤児院から追い出され餓死寸前であった敦と出会い、実はその彼が虎の正体であり、太宰がそんな彼を社員に推薦した、ということらしい。
それが昨日の事、そして試験を受けてそれに合格して入社したのが今日。
「じゃあ、私は本当に敦君の数時間後に入社したんですね」
「ええ、そうなりますね」
そんな話をしながら社に入っていく。