ログ2:武装探偵社-2 ページ7
説明が雑かもしれない
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つまり─
自分のすぐ横でどさっと何かが落ちる音がする。
そう、太宰以外は全員改変されなければならないのだ。
そして今遥がやったのは位置の改変。
横断歩道の向こう側に移ったのだ。
太宰が向こうに取り残されたので、2人の抱えられている腕が消えて、支えを失った2人は地面に倒れるしかない。
正直2人を落とすのは良心が咎めたが、これで現実改変が異能だと思われたはずだ。
太宰がこちらに駆け寄ってくる。
「今のは─」
2人を抱え直しながらこちらを見る太宰。
「はい、今まで何回もあって、私がこうあって欲しいと思ったことが現実になるんです。先程願ったのは"5人で向こうに行きたい"ですね、でも……何故貴方だけ取り残されたのか分かりませんね」
「……貴方のそれは異能力ですね。それも現実改変系……超級の異能だ」
「ちょ、超級?」
財団が現実改変能力者を殺害の方針でやっている理由と同じような感覚ならその辺りは慣れきっているが、一応驚いておく。
「ええ、超級です。……貴方、今は何のお仕事をされているので?」
「仕事ですか?今は出版社で働いていますが……最近少し、転職してみようかと思ってまして」
出版社は前職だが、名無しの財団で博士をやっていますなんて言えるわけがないのでこれは表の職業だ。
「転職希望?それは良い。貴方、うちの探偵社に興味はありませんか?」
「武装探偵社に?……まあ、ありますが……」
「それじゃあ貴方、うちで働きませんか?」
給料も良いし、歓迎されること間違いなし、と言って遥を誘う太宰。
遥は今にもこちらが大歓迎です、とでも言って速効で探偵社に入りたいのだが、流石にそんな待ってましたというような返答は駄目なので少し悩んでいる素振りを見せてから頷く。
「……良いですね!」
「よし、それじゃあ早速3人を届けたら社長に会いに行きましょう!
……と言ってももうすぐそこですがね」
そう言って太宰が仰ぎ見た建物を見る遥。
どうやらこの建物、1階に喫茶店があるようだ。
「却説、探偵社は4階、最後の一息ですよ」
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「与謝野先生は居るかい?」
探偵社に入るなりそう言った太宰。
「太宰!居なくなったと思ったら何を─……嗚呼、医務室に居る」
その姿を認めて怒鳴ろうとした男性だったが、その太宰が血塗れの2人を抱えているのを見て怒鳴るのをやめた。
そしてその隣に敦を抱えた女性が居るのを見て怪訝な顔をする。
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作者名:東風谷阿雲。☆ | 作成日時:2022年2月11日 22時