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ログ2:武装探偵社-1 ページ6

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あの2人がここを離れてすぐ、遥は路地裏に入っていった。
遥を見た太宰は当然ながら驚きの表情を浮かべる。
説明すると、案外すぐに納得したようだった。
「指名手配犯の芥川がここから出るところを見たもので……もしかしたら誰か怪我でも負ったのでは、と思って。運ぶの、手伝いましょうか?」
「ああ、成る程……それじゃあ、お言葉に甘えて。貴方は敦君……白髪の子をお願いします」
分かりました、と答えて敦を抱える遥。
太宰も2人を抱えて表へ足を向けた。

遥が行き先を聞くと太宰は"武装探偵社"だと言った。
「聞いたことはないですか?」
「いや……すみません、実は最近ヨコハマに来たばかりでまだここのことがよく分かってないんですよね」
おや、と太宰は驚いたような顔をする。
「じゃあ、この町の成り立ち方を教えましょうか?」
「いいんですか?お願いします」

そうして太宰にこの町について教えて貰ったところ、どうやら今向かっている武装探偵社は昼と夜の間、薄暮時間を取り仕切る他、軍や警察に頼れないような危険な依頼を専門にしている武装した異能力集団らしい。
そして昼と夜はそれぞれ異能特務課、ポートマフィアが仕切っていて、先程の芥川はポートマフィアの人間なのだそう。
話を聞いていたら思いついたことがある遥は、それを実現するために動くことにした。
「─あの、異能力って?」
「ん?ああ、そうですね……通常では為し得ないことを為す力、巷間には知られていませんが、世間には異能の者が少なからず存在しているんです」
「異能力……あの、それじゃあ私の"あれ"も異能力なんでしょうか?」
太宰にそう言う遥。
ここで言う"あれ"とは現実改変能力のことであり、当然異能力というわけではない。
探偵社に入る口実になるかな、と考えた末の発言である。
そう、遥は結局武装探偵社に入って情報を集めることにしたのだ。

「あれ─というのは?」
「えっとですね……こういうモノなんですけど」
そう言いながらひとまず掌にペンを出してみせる。
その次にペンを消し、丁度よく目の前にある横断歩道の歩行者の信号を青に変え(車に迷惑を掛けたわけではない、辺りに1台の車も見当たらない)、そして次。
ここが重要だ。
おそらく太宰は異能力者、そしてその異能は他の異能を無効化するものだろう。
遥の現実改変を異能だと思わせるには太宰だけを改変の範囲外に置かなければならない。

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作者名:東風谷阿雲。☆ | 作成日時:2022年2月11日 22時

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