財団の人間、調査する。 (ページ4)

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ログ1:ヨコハマへ-1 ページ4

原作への導入どうしようか
＿＿＿
「……さて、と」
そう呟く女性｡
「調べるためにもそうバラけられては困る……と思ってはいたけど、まさか1ヶ月足らずで集まる場所が見つかるとは……」
＿むしろ何故今まで存在がバレなかったんだ？
考えながら彼女は川沿いを歩く。

ここはヨコハマ。
彼女─八重遥は異能力者がこの地に多い事を突き止めてすぐ、支度をしてここに来た。
調べるのに2週間半、出発から到着までに数日。
てっきり数年掛かるかと思っていた遥からすれば少しばかり拍子抜けである。

彼女は今、これからどう動くべきかを考えている。
どこかの異能組織に所属して情報を集めるか、それともどこにも所属せず1人で情報を集めるか。
情報への触れやすさからすれば組織に入った方がいいが、そうすると程良く他の異能集団と同盟か敵対かしていて貰わないと情報を仕入れ辛い。
では自分1人で、となるとどう足掻いても一般人という括りに入らざるを得ないので情報の仕入れ方に制限が掛かる。
制限を振り切ってハッキングなどという手段に出れば確実に怪しまれてしまうのでそれを振り切るのに無駄な労力が掛かる。
所属するなら組織を選び、1人でやるなら(大幅に制限がなされた中から)手段を選ばなければならない。
普通に考えても組織に所属した方がやりやすいのだが、先程述べた条件にピッタリと当てはまってくれる組織が思い浮かばない。

どうしたものか、と考えている遥の目の前を男性が横切った。
その男性は砂色のコートを靡かせながら急ぎ足で去っていく。
「……」
ここに来る前も来てからも、急ぎ足の人とすれ違うことは幾度もあった。
だが、なぜかあの男性の姿がやけに遥の印象に残った。
何故なのか気になって、遥は彼の後を追うことにした。
＿＿＿

気配を消すことは忘れずに彼の後を尾けていると、何やら路地裏に入っていった。
路地裏の奥を見てみるとそこは行き止まり、そしてなぜだか複数人が屯している。
もっと注意して見ると、地面に血まみれで2人が横たわっている。
そして─白虎と大きな黒い手が見える。
その2つの間に、コートの男性が両腕を広げ割って入った。
「はぁーい、そこまでー」
男性の手に触れたであろう部分から、黒い手と白虎が消えていく。
白虎の消えた後、そこに少年が倒れた。
───……あれが、異能力なのだろうか。
遥はそう思いながら、話を聞き取りやすくするために先程よりも近くに移動した。