ログ0:財団にて-1 ページ1
導入ほど難しいものはあるんだろうかと思いつつある 苦手
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ここは財団日本支部、通称サイトー81██。
昼の食事時である今は、食堂が人で賑わっている。
そんな中、自分が頼んだ唐揚げに声をかける女性がいた。
「いただきます。……虎屋博士じゃありませんよね」
当然だと思うが、返事はない。
そこに、誰かが声を掛けてきた。
「虎屋博士ならまだ研究に没頭しています、さっき念のため覗いてきたので確かかと」
どうやら、声を掛けてきたのは男性らしい。
そしてその答えを聞いて彼女は安堵した。
「ああ、良かった。よし、今度こそいただきます。
……隣、どうぞ」
「えっ、いいんですか?それじゃ、失礼します」
そう言って、彼は隣に腰掛けた。
「……ところで」
食事を終えたところで、彼女が声を出した。
「何です?」
「君、どなた?」
「……へっ」
素っ頓狂な声を上げる彼。
「えっあっ、そういえば言ってませんでしたね。
俺は最近財団に入った春沢です、エージェントやってます」
「成る程ね、エージェント・春沢ね。……あっ、私は八重です。
周りからは八重博士って言われてるかな、よろしく」
2人は互いに自己紹介をした後、しばらく雑談をしてから別れた。
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あれから数日後、同じく食堂にて。
「お、こんにちはエージェント・春沢─と、神山博士」
今日は唐揚げではない八重博士が、エージェント・春沢ともう1人、神山博士と呼んだ人物に挨拶をする。
「八重博士、こんにちは」
「博士、こんにちは。お久しぶりですね」
「神山博士とは1ヶ月ぶりですね、久しぶりです」
神山博士の挨拶に答えて、彼らの隣に腰掛ける八重博士。
食事を終え、神山博士も交えて世間話をしていたときのこと。
「……ところでお2人共、"異能力"って知ってますか」
「異能力……?聞いたことないね、名前からして現実改変と同じに思えるけど。
神山博士はどうです?」
「いや、知りませんね。何ですかそれは?」
それを聞いて、エージェント・春沢が説明を始める。
「ええっとですね、常識では考えられない現象を起こす特殊な力─まあ、現実改変能力とほぼ一緒ですね。世間一般にはあまり知られてないようですけど、異能力を持った人が世界中に少なからず存在してるみたいです」
彼の説明を聞いた2人は顔を見合わせる。
「神山博士、これって……」
「ええ、これは……」
「やっぱお2人もそう思います?」
三人は顔を見合わせ、言った。
「財団案件ですね」
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作者名:東風谷阿雲。☆ | 作成日時:2022年2月11日 22時