嘘ツキ彼女とニセ彼氏。3rd

Episode 122 ページ23

小瀧くんの豹変ぶりに、暫くその場におる全員が呆気に取られとった。



｢中間先輩、来るの遅なってごめんなさいっ！
大丈夫でしたか?!何もされてないですか?!｣





小瀧くんは私の肩を揺さぶった




｢え？あ、大丈夫やけど｣





むしろアンタのが大丈夫なんやろか、と聞きたい





その様子を見とった重岡が、信じられへんことを言った。




｢___お前、中間のこと好きなんやったらちゃんと守れよ｣




目の前が真っ白になる

何それ？どういう意味？




小瀧くんは重岡を挑発するみたいに、それに応える。


｢はい、おかげで助かりました
ただのクラスメイトやのに、助けてくれてありがとうございます、重岡先輩｣



重岡は何か言いたそうな顔をしたけど、思い直したようにそのまま口を噤んだ。





｢大毅…｣





困ったように中山さんが声をかけると、重岡は背を向けて歩き出した。




｢行こ、俺ら邪魔みたいやし｣






言葉が鋭い針になって、全身に突き刺さったみたいやった。




2人が歩いていってしまってからも、私は1歩も歩くことが出来ひん。





｢中間先輩…｣




涙が頬を流れる。

どうして私はこんなに馬鹿なんやろう

どうして分かっとるのに、何度も期待してまうんやろ




重岡には中山さんがおるって

期待しても無駄やって



分かっとるのに、どうしてこんなに重岡が好きなんやろう

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