検索窓
今日:2 hit、昨日:13 hit、合計:142,984 hit

. ページ5

「……はぁ」









何となく屋上に来てしまった。

一応お弁当も持ってきたものの、食欲もない。





手すりにもたれかかって外の景色を眺める。

冷たい風がひゅ、と頬をかすめていった。








「寒……」









やっぱりこの季節に屋上は寒い。

でも今重岡の顔は見たくない。





大嫌いって、言っちゃった。

さすがに言いすぎたよね。






せやけど、あんな話聞いたら嫌な気分になるのはしゃーない。








重岡が他の女の子とそういうことがあったのだって、別に知ってた。





知ってた……けど。






いきなり後ろから、ぱっと両手で目隠しされる。






「きゃっ! 重岡……」






来てくれたんや!






そう思って振り返った先にいたのは、小瀧くんやった。







「……何や、小瀧くんか」









小瀧くんはぶすっとした顔で答える。







「すみませんね、あなたの王子様やなくて。
ここに来るのが見えたんで来たんやけど、お邪魔でしたか」









「や、ちが、そういう意味やなくて。ごめんって」









機嫌を損ねてしまったらしい。








小瀧くんは私の横に並んで、手すりにもたれかかった。









「今日は過保護な彼氏と一緒やないんですね?
いっつもうっとおしいくらいベタベタベタベタしとるくせに」









さっき怒らせてしまったせいか言葉にトゲがある。









「別にベタベタしてへんもん。
……他の女の子とはしてるみたいやけど」









小瀧くんは呆れたように息をつく。









「へぇー。破局ですか?
早かったですねー」









「べっ別に破局やないもん!
……多分」









「何でそないなことになったんですか?」







私はぼそぼそ話し出す。







「やって急に、他の人に付き合ってるのは隠そう、とか言うし」

.→←.



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (170 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1003人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ちょこ。(プロフ) - 風勝健葉聡さん» ありがとうございます! 頑張ります! (2018年6月10日 12時) (レス) id: 79f5153a67 (このIDを非表示/違反報告)
風勝健葉聡 - お疲れさまでした!最後まで楽しく読めました!次の作品もファイト!です! (2018年6月10日 10時) (レス) id: 76eeaa7b1e (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ。(プロフ) - ひよこまめ?さん» ありがとうございます!頑張ります(*^^*) (2018年5月26日 22時) (レス) id: fba619e418 (このIDを非表示/違反報告)
ひよこまめ?(プロフ) - 切なくて泣きそうになりました(TT) これからも頑張ってください!!! (2018年5月26日 21時) (レス) id: 9e788f267a (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ。(プロフ) - りんさん» ごめんなさい〇rz (2018年5月4日 8時) (レス) id: fba619e418 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ちょこ。 | 作成日時:2018年4月29日 11時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。