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私も全部、欲しい。








好き。







何度言葉にしても、何度キスしても、全然足りひん。


触れる度に、どんどん心が欲張りになる。







どうすれば、伝わるんやろう。







「……好き。大毅が、好き。
だから……もっと、して」







重岡の獣みたいな鋭い瞳に、ぞくりと背中が震える。







「そんなこと言われたら、止まらへんで?」








「ん……」








プチ、とパジャマのボタンが外される。







1つ。2つ。







熱い。








頭がぼーっとする。









すごく、熱くて。








熱くて。








もう。








「ふにゃ……」









私はベッドにぱたりと倒れ込んだ。








「うわ! A!?」









「熱い……」







「あ、そういえば、熱があったんやっけ?
ごめん、大丈夫? 今日はもう安静に……」









その時突然、パタパタと部屋の外から足音が聞こえた。









「ん?」








そしてガチャッ、と勢いよく部屋のドアが開いた。









「Aー! いっぱい栄養のある物買って来たから、今日の夜は……!」









「お、お兄ちゃ……」








ベッドの上でぐったり寝そべっている私と、それに覆い被さるようにしている重岡を見たお兄ちゃんは表情を失った。









空気が凍る。








重岡は血の気の引いた顔をした。









「ち、違うんですよ!?
淳太さん、話せば分か……」








そして、お兄ちゃんは。






あぁ、なるほど。これが、悟りを開いた笑顔か。

そう納得してしまうような、菩薩のような神々しい笑みを浮かべた。









「重岡君、ちょっとこっちに来ようか」









重岡はずるずるとお兄ちゃんに引きづられていく。









「まっ、ちが、だから、……っ
ぎゃーーーーーーーーーーー!」




そして中間家には、いつまでもいつまでも、重岡の悲鳴が響きわたったのでした。

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ちょこ。(プロフ) - 風勝健葉聡さん» ありがとうございます! 頑張ります! (2018年6月10日 12時) (レス) id: 79f5153a67 (このIDを非表示/違反報告)
風勝健葉聡 - お疲れさまでした!最後まで楽しく読めました!次の作品もファイト!です! (2018年6月10日 10時) (レス) id: 76eeaa7b1e (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ。(プロフ) - ひよこまめ?さん» ありがとうございます!頑張ります(*^^*) (2018年5月26日 22時) (レス) id: fba619e418 (このIDを非表示/違反報告)
ひよこまめ?(プロフ) - 切なくて泣きそうになりました(TT) これからも頑張ってください!!! (2018年5月26日 21時) (レス) id: 9e788f267a (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ。(プロフ) - りんさん» ごめんなさい〇rz (2018年5月4日 8時) (レス) id: fba619e418 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ちょこ。 | 作成日時:2018年4月29日 11時

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