Episode 43 ページ44
真っ暗な夜道をひたすら走る。
『お兄ちゃんが居なくなる』
私だって、一生お兄ちゃんのそばにおれるなんて思ってへんかった。
お兄ちゃんやって、就職するし、いつかは結婚もする。
せやけど、お兄ちゃんはずっと地元の大学に進学するって言ってて。
それならあと4年は家におるんやって、漠然と思っててんけど。
生まれた時からずっと一緒のお兄ちゃんが、もうすぐ家を出てく。
まるで大きな落とし穴に落とされたみたいやった。
勢いで家を出てきたけどこれからどうしよう。
すぐ戻るんは嫌やし。
スマホはポケットの中にあるけど、財布はない。
その時。
ポン、と後から肩を叩かれた。
｢おにいちゃ｣
探しに来てくれたん？！と振り返ると
…………そこにおったんは、お兄ちゃんとは影も形も似つかない、中年のおっさんやちどた。
くたびれたスーツを着て、見た目はサラリーマンみたいやけど。
…………いや、誰？
｢あの………｣
おっさんは小太りで、何となく脂ぎっとる。
ハァハァと息遣い荒くて、生暖かい息が顔にかかると、ぞわっと鳥肌がたった。
なんかやばい？
頭ん中で警報が鳴り響いとる。
おっさんはハァハァしながら、気持ち悪い声で言った。
｢おじさんと……あそぼ｣
ざぁっと血の気が引いた。
これは。
｢ぎ……ぎゃああああああああああああっ！｣
私は変な悲鳴をあげながら、猛ダッシュした。
痴漢や！キモイキモイ
1人でおるんが嫌で、私は走りながら震える指で電話をかけた。
こんな時に私が電話できる相手なんて、重岡しかおらん。
番号はこの前、強制的に交換させられた。
出ろ！出ろ！と祈ると、重岡は3コールぐらいで電話をとった。
｢あれ？中間？珍しいな。あれ？てか初電話？｣
いつもの重岡の声を聞いたら、何となく涙が出そうやった。
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ちょこ。(プロフ) - ちゃいばるさん» ホントですか？！笑 あんまり元の本と変わらないですが楽しんでもらえていたら幸いです(´▽`)ﾎｯ ありがとうございます！頑張ります(；_；) (2018年3月4日 4時) (
レス) id: fba619e418 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃいばる(プロフ) - たぶん、元となっている話の本、読んだことあります！というか、持ってます笑←。私もこの話好きです。これからも更新頑張ってください！ (2018年3月3日 14時) (レス) id: bc774a4884 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ。(プロフ) - Red Sさん» ありがとうございます！そう言ってもらえて嬉しいです(*´∀｀*) (2018年2月10日 18時) (レス) id: fba619e418 (このIDを非表示/違反報告)
Red S(プロフ) - この話、すごく好きです！！更新頑張ってください！ (2018年2月10日 16時) (レス) id: 574a581655 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちょこ。 | 作成日時：2018年1月27日 20時
