Later Story ~Pregnant~ ページ36
私の生理は安定していて定期的に来るはずなのに、その月は遅れていた。驚いたことに、それに気が付いたのはシリウスだった。過保護に拍車がかかっているシリウスは、病院に行ったほうがいいんじゃないかと私に提案した。でも、生理が来ないだなんて症状、とりあえず考えられるのは…
「うーん…。ねえ、妊娠したんじゃない？」
「………」
確か、妊娠検査薬は生理予定日から１週間は経たないとわからないはずだ。来週の休日にでも検査してみるか、と私は考えて、シリウスが用意してくれたココアを一口飲んだ。本来なら生理が来てもおかしくはない日だったので、シリウスはコーヒーではなくココアを作ってくれたが、もし妊娠しているのならいい判断だった。
「ま、待ってくれ…、に、妊娠？子供！？」
私を後ろから抱きしめるようにソファに座っていたが、シリウスは私のわきに手を差し入れて持ち上げ、向かい合うように膝に座らせた。彼の表情を見ると驚きすぎて目を見開いているし、なぜか汗をかいている。その様子に私は首をかしげる。ハリーが生まれて早１年。シリウスは子供が好きだということが分かったし、リリーやジェームズの仕事を奪う勢いでハリーのお世話をしている。親戚のおじさんどころの騒ぎではない。そんなシリウスのことだから手放しで喜ぶと思ったのだが。
そんなシリウスは私を見つめ、なぜか両手を微妙な高さで浮かせたまま動かない。その様子に私はさらに首をかしげることになる。どう考えても私を抱きしめようとした途中なのに止まったのだ、気になる。私はそのまま彼の背中に腕を回して胸に顔を寄せる。するとシリウスは面白いくらいに肩をはね上げた。
「だ、抱きしめて大丈夫なのか…！？」
「ええ…大丈夫に決まってるでしょう？」
もう、と私がくすくすと笑えば、ようやく私の背中に腕を回したシリウス。いつもより抱きしめる力は弱い。いや、弱いどころか添えているだけだ。それに私はさらに笑った。
「ね、嬉しい？」
「う、嬉しいに決まってるだろ！？」
「ふふ、だよね〜」
シリウスが私の肩口に顔を埋めてぐりぐりと頭を押し付ける。シリウスのふわふわした髪の毛が首に当たってくすぐったい。シリウスはまだ決まってすらいないのに、性別はどうだろうかとか、あれがしたいこれがしたいと話し始める。その勢いで悪戯仕掛人全員に知らせようとしたので何とか止めた。それはまた病院に行って、安定期に入ってから、だ。
ラッキーアイテム
マールヴォロ・ゴーントの指輪
今日の呪文学
ルーモス（光よ）
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おたけ - この作品を最後まで書き上げてくださりありがとうございます！面白すぎて、１日徹夜して読み切りました！こんな素敵な作品に出会えて本当に感謝です！ありがとうございます！ (7月20日 18時) (
レス) @page43 id: 277811df6e (このIDを非表示/違反報告)
アネモネ(プロフ) - 幽蘭さん» コメントありがとうございます！こちらこそ、読んで頂きありがとうございました。読み返すと誤字脱字が多かったりちゃんと伏線になっていなかったりで初心者丸出しですが…。また機会がありましたらどこかで！ありがとうございました！ (5月25日 23時) (レス) id: cfb2af5982 (このIDを非表示/違反報告)
幽蘭(プロフ) - 最後まで読ませていただきました。素敵な作品ありがとうございました！！ (5月24日 12時) (レス) @page43 id: 1d533b6371 (このIDを非表示/違反報告)
アネモネ(プロフ) - RIKOさん» こちらこそ、読んで頂きありがとうございました！素人の妄想を文字にしただけのものですが、楽しんでいただけたようで嬉しいです！またどこかで！本当にありがとうございました！！！ (5月23日 0時) (レス) id: cfb2af5982 (このIDを非表示/違反報告)
RIKO(プロフ) - 本当にありがとうございました！！ (2023年3月25日 2時) (レス) id: 2f1eb9db7f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アネモネ | 作成日時：2023年2月25日 14時
