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階段を数段降りて、芝生を踏みしめ私に背を向けるシリウスの元へとゆっくり歩く。シリウスを囲むように立っているみんなは私を一目見て、わっと声を上げて笑顔になった。その中でもレギュラスがどや顔をしていて、僕の選んだドレスだから当然だ、とでも考えているのだろう。かわいい弟だ。一人一人の様子を見る。
父アーノルドと母ミラは寄り添って私を微笑んでみている。彼らの間に生まれてよかった。私の前世の記憶の話は、最終決戦の前にした。それもそのはず、最終決戦で行う作戦などを吸血鬼のみんなに話せば、どうしても父の知るところになってしまうから。前世の記憶に引っ張られている私を見て、彼らが何を思ったかはわからない。おなかを痛めて産み育ててきた娘には別の両親の記憶があり、別の人生があっただなんて彼らからすれば複雑だろう。それなのに２人は、何となくわかっていたよと私の頭を撫で、そして抱きしめてくれた。
「A。貴方が”A・オルロック”でない記憶をもって生まれたとしても、正真正銘私たちが生み育ててきた愛する娘よ。それに、私たちこんなにそっくりなのよ？」
それを知っても何も変わらない、と母は言ってくれた。確かに、見た目はともかくとして性格すらも二人に似ているのだ。２人の娘ではないというほうが難しい。
そんな二人の隣に立つ、シリウスの両親オリオンとヴァルブルガ。２人は私の両親に比べたら距離は遠いけれど、それでもちゃんと二人で立っていた。シリウスは、二人は許嫁から結婚に至ったから互いに愛情は無いと言っていたけれど、そうは思わない。だって、オリオンが腕を失ったとき、あんなにもヴァルブルガは取り乱していたのだから。最初は愛がなかったかもしれない。でも、共に生活する中で情が生まれ、それが愛情に変わることだってあるかもしれない。
更にその横に立つジェームズは肩を震わせて笑いをこらえている。この人は全くいつでもぶれないな。その視線はシリウスに向けられている。花嫁の私を適当に見るだけ見て、シリウスをかまうだなんて本当にさすがジェームズだ。それでも、慣れたようにハリーを抱っこして体を揺らす彼はすっかり父親の顔だ。いつも以上に彼を頼もしく思った。
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おたけ - この作品を最後まで書き上げてくださりありがとうございます！面白すぎて、１日徹夜して読み切りました！こんな素敵な作品に出会えて本当に感謝です！ありがとうございます！ (7月20日 18時) (
レス) @page43 id: 277811df6e (このIDを非表示/違反報告)
アネモネ(プロフ) - 幽蘭さん» コメントありがとうございます！こちらこそ、読んで頂きありがとうございました。読み返すと誤字脱字が多かったりちゃんと伏線になっていなかったりで初心者丸出しですが…。また機会がありましたらどこかで！ありがとうございました！ (5月25日 23時) (レス) id: cfb2af5982 (このIDを非表示/違反報告)
幽蘭(プロフ) - 最後まで読ませていただきました。素敵な作品ありがとうございました！！ (5月24日 12時) (レス) @page43 id: 1d533b6371 (このIDを非表示/違反報告)
アネモネ(プロフ) - RIKOさん» こちらこそ、読んで頂きありがとうございました！素人の妄想を文字にしただけのものですが、楽しんでいただけたようで嬉しいです！またどこかで！本当にありがとうございました！！！ (5月23日 0時) (レス) id: cfb2af5982 (このIDを非表示/違反報告)
RIKO(プロフ) - 本当にありがとうございました！！ (2023年3月25日 2時) (レス) id: 2f1eb9db7f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アネモネ | 作成日時：2023年2月25日 14時
