Kahlua Milk ページ20
幼い頃仲の良かった女の子が居た。彼女はきれいな赤毛を持っていて、凛々しい顔立ちをしていた。そんな彼女は遠方の学校に通うとかで、エレメンタリースクールを卒業してからは休暇にしか会うことができなかった。彼女は成長するにつれてどんどんと美人になっていく。そして、18歳という若さで結婚をした。そんな結婚式に私は呼ばれていた。本来断ろうと思っていた私だったが、リリーに”いい男見つけるチャンスよ”なんて言われてしまい、気が付けば招待状の”出席”に〇をつけていた。彼女は私の扱いを完璧に心得ていた。
披露宴に出てみれば、ほとんどの参列者が例の遠方の学校の友人のようで少し疎外感を感じていた。しかし、披露宴が始まり新郎の友人代表スピーチが始まった瞬間、居心地の悪さなんて吹き飛んだ。だって、新郎の友人代表が浮世離れした美しさだったのだ。正直、友人のリリーがどんなドレスを着ていただとか、旦那がどんな人だったとか忘れた。彼しか目に入らなかった。
自由時間になり、各々席を立って好きに移動している。私はすぐに新郎の友人を探し会場を見まわした。彼は会場の端にあるバーの近くで壁にもたれ、カクテルを飲んでいた。その視線の先には幸せそうにしているリリーとその旦那。友人代表は優しい笑顔で二人を見ていた。いましかない、と私は気合を入れて彼の方へ近づいた。なるべく自然に、まるで飲み物を取りに来たように。しかし、特に飲みたいものを考えていなかったためいざバーの前に立っても注文することができなかった。だって成人したばかりだし、あまりお酒には詳しくないのだ。詰めが甘いのはいつもだ。
「…注文しないのか？」
いつの間にか私の背後に回っていた新郎の友人代表は私にそう声をかけた。しめた、と思った私はあまり詳しくなくて、と困った表情を浮かべる。彼は私の後ろから右隣りに立った。隣に立った彼は背が高くて背中は広くウエストが細い。長くてつややかな黒髪はワックスでオールバックにされていてまるで絵画のようだった。
「普段あまり飲まないのか？」
「成人したばかりなので…」
「ふ、そうだよな。リリーと同い年か？」
そう聞かれて頷けば俺もだ、と笑ってくれた。そして、甘いのは好きか、とかお酒には弱いか、とかいろいろと聞かれ、彼はバーテンダーにカルーアミルクを一つ、と注文した。そしてカクテルを受け取った彼はそれを私に手渡す。少し手が触れ合ってドキリとしてしまった。
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マールヴォロ・ゴーントの指輪
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ルーモス（光よ）
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アネモネ(プロフ) - RIKOさん» コメントありがとうございます！大変恐縮です。趣味で書いている程度なのでつたない文章ですが、楽しんでいただけたら幸いです。是非お時間あるときに読んでいただけると嬉しいです！ (2023年2月14日 10時) (
レス) id: 4798491269 (このIDを非表示/違反報告)
RIKO(プロフ) - こんなにも作り込まれていて面白い作品には久方ぶりに出会いました。とても楽しく読めて、最近の私が充実しているようにも感じます。本当にありがとうございます！応援しています。 (2023年2月13日 21時) (レス) @page30 id: 2f1eb9db7f (このIDを非表示/違反報告)
アネモネ(プロフ) - にゃーちゃんさん» コメントありがとうございます！R18版ですが、マイページの設定でコンテンツフィルタがオフになっているのであれば、私には原因がわからないです、すみません…。ブラウザから見るなどしても見当たらなければ解決策を考えるのでまた教えてください！！ (2023年2月8日 9時) (レス) id: ddc7a24158 (このIDを非表示/違反報告)
にゃーちゃん - 面白くて、思わず一話から一気読みしてしまいました!キャラ達格好可愛いし最高!所で、この小説のR18版が探しても見当たらないのですが、どうしてか分かりますかね…?フィルター等は無いんですけど…知ってたら教えて欲しいです！更新楽しみにしてます! (2023年2月8日 2時) (レス) @page13 id: fd6863f2a6 (このIDを非表示/違反報告)
アネモネ(プロフ) - 真白さん» コメントありがとうございます！趣味で楽しく書かせてもらっています！こんな私の妄想にお付き合いいただいて嬉しいです。無理せずしっかり完結できるように頑張りますので、ぜひこれからもお時間あるときに読んでいただけると嬉しいです！ (2023年2月3日 11時) (レス) id: ddc7a24158 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アネモネ | 作成日時：2023年2月2日 11時
