あの日の沫 Ⅲ【黒鉄の魚影】 (ページ6)

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沫が、七十一ページ6

『コーナンくん、何してたの?』

ｺﾅﾝ｢あ、いや、別に｣

阿笠｢じゃあ腹ごしらえでもして帰るとするかの｣

灰原｢揚げ物はダメよ｣

阿笠｢アゲアゲ(汗)
哀くんの愛は手厳しいの〜｣

『? 博士隠れて食べてたんじゃなかったの?』

阿笠｢相変わらずすずめくんも小悪魔じゃな｣

ｺﾅﾝ｢博士……………バレてるぞ｣

本野の地上に戻り、和気藹々とした姿を、

米菓百貨店で灰原が整理券を譲った老婦人が見ていた。

エレベーターに向かって歩き出したと思えば、

顔に手をかけて変装マスクを一気に剥がす。

そこから出てきたのは、プラチナブロンドの綺麗な金髪の女性。

黒の組織の一人のベルモットだった。

エレベーターが開き、乗り込む。

そして、扉の方を向くとあやしげに嗤う。

ﾍﾞﾙﾓｯﾄ｢(ふふ、あれで助けたわけ?
それを探るのがあなたの仕事でしょう?
いつか返してもらうわよ、わたしの最愛の“義娘(硝子の靴)”を。
シルバーブレッドくん)｣

着物の帯締めについていたのは“フサエキャンベル”の限定ブローチ。

空港の電気に反射し、美しくも恐ろしく、そして怪しく煌めきを放った。

やがて自動ドアが閉まり、ドアが閉まる音が、

がやつく施設内に大きくこだました気がした。

　

　

　