あの日の沫 Ⅲ【黒鉄の魚影】 (ページ5)

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沫が、七十ページ5

直美は、羽田空港の国際線出発ロビーにいた。

灰原は直美に最後のさよならを言うために彼女に会っていた。

灰原｢いくのね、新たな【パシフィック•ブイ】に。
今度は、どこの国なの?｣

直美｢ごめんね、話しちゃいけないの｣

灰原｢そうよね｣

直美｢ごめんなさい｣

灰原｢いいのよ、言っちゃいけない決まりなんでしょう?｣

直美｢すずめちゃんもありがとう｣

『え? 何が? あたしは巻き込まれ体質なだけだよ。
直美さんは何も悪くない。巻き込んだやつに一発やってあげたいわ』

直美は、不思議と灰原とはまた別の幼馴染のように見え、

小学生の時に誰かの両親殺害事件を思い出した。

その子が話してくれた、両親がいなかった理由。

誰かが彼女を拾ってくれたと言っていた気がする。

直美｢子供の言葉や行動で、人生が変わることもある｣

灰原｢え?｣

直美｢あれ、本当ね。
今のあなたのおかげで、これからのわたしがある。ありがとう｣

そして、振り返って保安検査場に向かっていった。

一緒に阿笠と空港に来ていたコナンは、

あの後にかかってきた安室の電話を思い出していた。

ｺﾅﾝ｢え、ベルモットが!?｣

安室｢【ああ。おそらくベルモットがいろんな
シェリーやシンデレラに化けて、
各地の防犯カメラにその姿を残したんだ。
おかげで組織は老若認証への興味をなくしたよ】｣

ｺﾅﾝ｢でも、どうしてベルモットが、｣

安室｢【さぁね。
君なら心当たりがあると思ったんだけどな。
因みにピンガという組織のメンバーが
帰還せずに消息を絶ったらしいけど……
君は何か知ってるかい?】｣

ｺﾅﾝ｢……………さぁ。
(あの後奴らの動きがねぇなと思ってたけど、
やっぱり、あの潜水艦の爆発に…)｣