あの日の沫 Ⅲ【黒鉄の魚影】 (ページ2)

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沫が、六十七ページ2

辺りを見渡したコナンは、すずめ、

そしていつの間にかその場にいた灰原を見て、

柔らかな笑顔を浮かべた。

ｺﾅﾝ｢(危ねぇ…助かったぜ、二人とも)｣

コナンは灰原にエアタンクを渡す。

すずめの使っているエアタンクは、もうすぐ酸素量が切れてしまう。

それもあって、すずめはそのまま一人で装着し続けることにした。

ｺﾅﾝ｢(さぁ、ゆっくり浮上しようぜ。
急浮上すると減圧症になっちまうからな)｣

3人で手を繋ぎ、ゆっくりと海の中を進む。

上には、灰原、そしてすずめには眩しすぎる光。

月明かりと電球の明かりと分かっていても、

その光の方向に向かうのは、少し億劫だ。

、

、

ピンガは岩礁帯の潜水艦に辿り着いた。

【到着】とメッセージを打ったが、潜水艦はぴくりとも動かない。

もう一度別のメッセージを送るも、全く反応がない。

ﾋﾟﾝｶﾞ｢(……………まさか中に入れない気か? あの野郎…!)｣

セイルの後方を見るともそこには潜水艇がなかった。

赤井に攻撃されてしまった潜水艦の中にいれば、

酸素不足になって死んでしまうと思ったジンは、

ピンガを捨てて今生きてる仲間のみで逃げることを決めたのだ。

今ここに残っているのは、役に立たなくなったものだけ。

役に立たなくなったものは破棄するのみ。

次の瞬間、潜水艦は眩い閃光のような光を出して大爆発を起こした。

　

爆発は衝撃波となり、大きな波を作り出した。