【gnsn】僕を探してほしいのですが！ (ページ49)

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碧い仙人ページ49

「おまたせ！黒背スズキの唐辛子煮込みだよ、うちの看板メニューなの！」

そうして差し出された料理はいかにも辛そうで、でもそれ以上にいい匂いが湯気と共にやって来る。

しかし。

(他の人が食べているものとちょっと違くないか？)

僕達が渡された料理には魚の頭からしっぽまで余すところなく入っているが、他の客の皿にはそれが見受けられないし、何より上にかかったこの液体は何だろう？

まあそんなのどうでもよくなるくらい美味しそうだし気にせず口に運んだ。

『＿＿＿なにこれめっちゃ美味しい』

「へへっ、良かった～。それアタシのオリジナルなの。他の人のやつとちょっと違うでしょ？」

『そうなのか！ところでこの液体は？』

「炎スライム」

聞き間違いだろうか。

「ニンニクと一緒に炒めた炎スライムの液をかけてみたの。口当たりもいいし、良い風味付けになってるでしょ？」

『なるほど...これは確かに忘れがたい味...』

「まだあるから、おかわりほしかったら言ってね。特別サービスしちゃうよ」

世の中には知らなくていいことがあることを知った。

～～～～～

翌日、鍾離さんにあの子達の事を聞きに行った。

＿＿＿”俺自身としては、そんな話をお前の口から聞いたことはない。だが、見当はつく。”

たまに、南天門と言う場所で修業をしている仙人がいるらしい。その仙人がおそらくあの子達の事なのだろうと鍾離さんは言っていた。

一人は少年の姿をした夜叉、もう一人は仙獣”麒麟”の血が流れていると言う女性。

『大きな木が目印...あれか』

モンドで見たあの大樹とはまた違った重みと言うか、趣深い印象があった。

(とりあえずここで待ってみよう)

そうして木の根っこに腰かけた。

～～～～～

『...もう夜』

昼からずっと待機してもう夜！収穫無し！
まあたまにしか現れないらしいし一日目で心を折ってもいられない。

『もう帰ろう』

腰かけていた根っこから離れて璃月港へと足を進めようとしたが、目に映ってしまった。

＿＿＿＿丸い月を背に少年の夜叉が駆けていくのを。

「！」

夜叉は僕を見つけるとあの高さをもろともせず目の前に降って来る。

(......積み重ね)

殺してきた魂の積み重ね、生き抜いて来た年数の積み重ね...彼を取り巻く沢山の積み重ねに圧倒されそうになる。

それでもなにか話そうと色々思案してるうち、夜叉は口を開いた＿＿＿＿。