【gnsn】僕を探してほしいのですが！ (ページ45)

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約束通り... ページ45

「...っ」

僕は床に固定されて立ち上がることのできない彼の喉元に、奪った槍を突きつける。

吹雪に紛れているうちに邪眼を取り上げて正解だった...絶対力じゃ勝てなかったから。

四肢を氷で拘束したのは少し念を入れすぎたかとも思ったが。

『手足、このままだと壊死しちゃうぞ？』

「＿＿＿俺の負けだよ」

ふにゃっと目元を歪めて僕は優越感に浸った。
手足の氷を溶かす。

『？』

なにか異変に気付いた僕はまじまじと彼の顔色を覗き込んだ。

『顔色悪すぎじゃないか？やっぱり邪眼が...』

彼から奪った邪眼を握りしめる。

「まあね。でも、それは返してもらわないと...っう」

小さなうめき声をあげながら体を起こしていた。

『こんなもの、自分を壊すだけだろうに』

そう言って眉を顰める僕におかしいなぁ、と彼は微かに笑っていた。
何がおかしいんだと問い詰める。

「君は俺のことを嫌いと言う割に心配してくれると思ってさ」

『それは...』

その一言のうちに何か良い理由を思いつくかと思ったが、頭に浮かぶのは口に出すには癪に障る答えばかりだった。

「前の君もそうだったよ？任務で怪我してきた俺を手当てしてくれたり＿＿＿」

『い、いや。もういい』

話を無理やり遮った。

「いやいや聞いてもらわないと。自分のことを知りたいんだろ？」

『そりゃそうだけど』

少し躊躇った。
こいつと僕の惚気話なんて聞きたく無い。

『...無駄なことは話さないでよ』

しょうがない、と話を聞くと心に決めた僕は、すとんと彼の横に座って少し上にある顔を見上げた。

「じゃあまず君がしてくれたブローチの話だな」

負けたと言うのに実に嬉しそうに、彼はにこやかな表情で話してくれた。