【gnsn】僕を探してほしいのですが！ (ページ33)

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絶対帰って来てよねページ33

『！ウェンティ』

「...本当に行くのかい？」

いつもの彼とは違い、真面目くさった顔でそう言った。

『うん。やっぱり知らないとだめだと思うんだ』

「どんなにひどい記憶でも？」

『...うん』

それを聞くと暫く考えこみ、いつもみたいに笑って僕に言った。

「君ってやつはいつも勝手にどっか行っちゃうんだから...最後は僕の所に戻って来てよね」

そう言って近づいて、僕の頬にキスをしてきた。

『...？、！？な、なんで』

空とパイモンの目の前でこんな...！

「へへっ、挨拶の代わりだよ。そんなに顔赤くしちゃって、かわいいなぁ」

『うっ、からかうなよ...』

ウェンティは僕の顔を見て満足そうに笑った。

「空、君たちは璃月に行くんだろう？」

そう問われ、空は質問を疑問に思いながらも頷いた。

「じゃああのじいさんにも会うことになるだろうな～...」

あまり好ましくなさそうに眉を吊り下げた。

『その、じいさん？は僕の知り合いなんだろ？じゃあ尚更会いに行かないと、名前はなんて言うんだ？』

手を顎の下あたりに当てて考え込む。

「契約ごとに名前があるらしいけど、今使ってるのは＿＿」

「”鍾離”」

～～～～～

「それにしても、あの鍾離と知り合いなんてな」

璃月に向かう道中、その鍾離と言う人の話で盛り上がった。

『あのってくらいだから相当凄いんだな。その人』

「凄いどころじゃないぞ！なんたって」

と言おうとしたところを空に静止される。きっと迂闊に言えないくらい高貴な方なのだろう。
昔の僕はモンドの神と知り合いだったり、もしかしたら中々凄い人だったのかもと少し期待に胸を膨らませる。

『その鍾離って人は何をしてる人なの？』

「今は往生堂で客郷をしてるみたいだよ」

『客郷？』

聞きなれぬ言葉に首を傾げる。

「要するに、客として往生堂に留まっているってこと」

『なるほど...』

往生、堂...じいさんって言ってたし、もうあとはお迎えを待つばかりなのか。

「あ！見ろ、もうすぐ望舒旅館だぞ！」

と、パイモンが僕らの目の前に飛んできて遠くに見える建物を指さしていた。

『おぉー！お？』

屋根の所に誰かいる...？少年くらいの背丈をしているだろうか。

『えっ？』

一瞬目が合った？

「どうしたの？」

『...なんでもない！』

わざわざ持ち出す話でもないと、僕は気にしないことにした。