検索窓
今日:6 hit、昨日:7 hit、合計:47,110 hit

夢の中で ページ13

ディルックsido



「こいつは派手に潰れたな」



カウンター席で突っ伏している彼を見ながらそう言っていた。



「ところで、そろそろ閉店なんだが? 酒好きのガイアさん」



目を細め、少し頬の赤くなったガイアを見つめる。



「おっと、もうそんな時間か。こいつどうするんだ? 騎士団で引き取ってもいいぞ」



「それは君が...いや。そう言えばさっきはなんであんな冗談を言ったんだ?」



「ん、どれの事だ?」



「とぼけるなよ」



そう諭してやればつまらなそうに僕を見る。
そして、口元だけニッと歪めてこういった。



「意識してもらいたいだろ? そういうのは」



趣味が悪い、と心から思った。



「ていうか本当にどうするんだ? 置いていくわけにもいかないだろう」



「僕の方で引き取るよ」



それを聞くとふぅん? と少し馬鹿にするようなニュアンスで笑ってきた。



「はぁ、今日はとりあえず帰ってくれ」



「はいはい、わかりましたよっと」



席を立つと同時にモラを置いて出て行った。



空いたグラスを片づけながら眠っている彼を見やる。
と言っても、今日は貸し切りにしていたからグラスは二つだけだ。あっという間に片づけは終わってしまった。



彼の横に腰掛ける。



サラ、と髪に触れる。以前よりごわついた感覚が手に残るが、それでも触り心地は相変わらずだった。



「...ノア」



かつての彼の名前を呼ぶ。



(本当に忘れてしまったのか)



昨日の夜、君を見つけたときは安心した。僕のしらないところで死んでいたらと思っていたから。
でも、ある意味君は今死んでしまっているんだな。



自分の着ているコートを肩にかけ、そのまま抱きあげる。



(ワイナリーに戻ろう)



〜〜〜〜〜
ディルックside



(起きないな...)



もしかしたら、父さんとの晩酌も毎回こんな感じだったのか。なんて思いながら寝顔を見ていた。



子供らしさは一欠片もない。端正で、人離れした雰囲気もある。
でも頬を触ってみれば、赤子と同じくらい柔らかい。



(癖になるな)



『ん、』



まずい、起こしてしまった。悪いことしたな。



『...お坊ちゃん、もう寝ないとですよ』



「!!」



寝ぼけているのか、ふらふらと手を伸ばし頭の上にぽんと置いた。
が、すぐにまた寝に入ってしまい、ぱたんとソファの上に腕が落ちた。



「なんだ、__君は死んでなんかないじゃないか」



さっきまで頭の上にあった手を見ながら、そう呟いた。

春の朝日のような___、→←僕殺しの酒



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (84 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
206人がお気に入り
設定タグ:原神 , gnsn , 男主   
作品ジャンル:その他
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ぽんぴー - 数少ない原神BLありがたやありがたや。。そして面白いです。更新がんばってください!!!!! (2022年7月27日 2時) (レス) @page14 id: 0eb447a2e9 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:むぎのくろた | 作成日時:2022年7月26日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。