【gnsn】僕を探してほしいのですが！ (ページ37)

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何年いきてる？ページ37

「さて、何から話すべきか」

そう言って自分自身に疑問を投げかけ、頭の中で言葉を慎重に選び取っていた。

「先程口にした”静芳”というのは、俺がお前に与えた名だ」

『偽名ってことですか？また...』

「また？」

隣に座っている空が僕の言葉に突っかかる。

『モンドでも僕は”ノア”って言う偽名を使ってたらしい。ウェンティが僕につけてくれたみたいで』

「モンドでも偽名、璃月でも偽名。もしかしたら、それほどまでに隠さなくちゃいけない身分だったのかもな」

と、推測じみたパイモンの言葉に、彼は反応しなかった。

「まあ、実際の所。静芳と言う名を知っていたのごく僅かだっただろう、皆、”饕餮”とお前のことを呼んでいたからな」

『とうてつ？』

「異国の神話に出てくる妖怪の名前だ。あらゆるものを喰らう、貪欲の象徴。魔神ですら吸い取れらてしまう様から、いつの間にかそう呼ばれるようになっていった」

「ち、ちょっと待ってくれ！今魔神って言ったか？」

パイモンが咄嗟に会話を遮って、そう聞き返す。

「嗚呼。なにせ、＿＿＿＿俺たちはともに魔神戦争を戦ったからな」

『え？』

魔神戦争と言うと何千年も前の話の筈だが。それだと僕は一体いま何歳なんだ？
...ん？と言う事はこの人もかなりおかしいことにならないか？

僕達二人共魔神？

まて、戦争を生き残った神は七神になったんじゃ無かったか？
へっ？じゃあこの人璃月の神様？

「大丈夫か？」

『は、はい。ちょっと混乱してるだけです』

この人が岩神だったとして、その知り合いの僕って何なんだ？凄い人と繋がりすぎだろ。
やばい吐き気してきた。

一度息を整え、ぐちゃぐちゃになる思考回路を正して再びを顔をあげる。
何を聞こうとしていたんだったか。

『...そうだ、これに見覚えはありませんか？』

そう言ってしまっていたブローチを取り出す。すると昔を懐かしみ、このブローチを愛おしそうな目で見た。

「それは...俺がお前と契約して作ったものだな。お前の力を石に封じ込めてあるから、他人が使えば邪眼と同じく命を削られるだろう」

力...魔神としての僕の力をこの石を封印したって事か。

『契約と言うと、なにか差し出さなくてはならないわけですけど。何をつり合いに出したんですか？』

「それが、俺たちが共に戦争を生き抜いた理由だ」

その時の、なにかに焦がれた目が暫く忘れられそうになかった。