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…………
ニカッと笑った顔が花火の光で浮かび上がる。
潤「昨日、恭子に"フリ"じゃなくて、ホントに付き合ってくれって言われた。
んで、抱きつかれて キスされそうになったとこをAが見たってわけ。」
昨日の私の様子からそこで気づいたんだ、私が勘違いしてるって。
だから、話そうって言ったんだ。
だから、こうして…探しに、来た？
………………
潤「A、泣いた？
恭子とキスしたと思ったら 哀しかった？」
口角をきゅっと上げた 笑顔が浮かぶ。
………………
「…わかってる。
わかってるよ？妹だって わかってる…
でも、自分でもどうしたいのか…
わかんない…
お兄ちゃんなのに、苦しいよ…」
………………
ポロポロ落ちた。
涙が枯れもせず
ポロポロ落ちた。
…………………
潤くんとの間に出来た空間はまた縮まって、
今度は 隙間がないほどぎゅっと詰まった。
……………
背中に回った潤くんの腕
潤くんの腰に回した私の腕
潤くんの 甘い、甘い香りが私の中に滑り込む
潤「お兄ちゃんなんかじゃねーよ。
…俺は、Aのことが好きな一人の男だ。」
………………
流れる涙が 夜風に吹かれて 少しひんやりした。
私も好きだと言ったら、地獄が始まるんだろうか
とおるちゃんを、かおるちゃんを
悲しませるのだろうか。
いつから、封印してたんだっけ。
潤くんの告白が、
私の閉じ込めてた想いを 溢れさせる。
この先が地獄だとわかってても…
ちがうな、
…二人なら地獄なんかじゃない。
もう、閉じ込めることができないほど 溢れる。
………………
「私も、潤くんが…好き。
お兄ちゃんなんて 思えないよ…」
声は震えた
……………………
ずっと、
ずっと 言えなかった気持ちを
言葉にしたら …
声が、震えた。
一度、ぎゅっと締め付けられると
次の瞬間 離れて
見上げた先の潤くんの顔がゆっくり近づく。
"チュッ"と音を立てて ふれた唇は柔らかくて
潤くんが私にキスしたと気付く。
頭が真っ白で 何も考えられない私に もう一度ゆっくり近づき 今度は瞼を閉じて 長めのキスをした。
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作者名：ひな | 作成日時：2014年8月20日 14時
