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……………
「…お兄ちゃんじゃん、
とおるちゃんの息子が潤くんで、かおるちゃんの娘が私だもん。
とおるちゃんとかおるちゃんが結婚したから
潤くんは、私のお兄ちゃんじゃん。」
繋いだ手に力が入った。
…………………
潤「…俺は妹なんて思ったこと
一度もねーよ。」
………………
街灯が消えて 辺りが 一瞬静まり返る
………………
ドォーン
花火がうち上がる。
最初の花火は見れなくて
代わりに潤くんをオレンジに照らした。
憂いを帯びた表情は 花火大会というシチュエーションがそう見えさせてるのか。
オレンジの光は儚く消えて
地響きとともに 今度は私たちを白く照らす
…………………
繋いだ手をそっと引き寄せる。
花火どころか 潤くんの肩が私の唇にあたって
抱き寄せられたことに気づいた。
私がうるさいから "落ち着け"ってことだろうか。
………………
潤くんの甘い香り
大好きな、香り
…………………
潤「妹なんて、思ってねーよ。
…だから、お兄ちゃんなんて 呼ぶな。」
花火と花火の間に 耳元で聞こえたこの声は 潤くん
………………
……………
「じゃあ、なに？
私は…」
潤くんのなに？って言葉は
怖くて、聞けなかった。
………………
「…きょうちゃんは？…昨日、キス、してたよね？…」
いちばん聞きたくないことは聞けなくて
二番目に聞きたくないことを聞く。
せめて、トドメは最後に。
私の両肩に潤くんの手が置かれ、伸ばした腕の分だけ 空間が出来た。
もう、浴衣に合わせてしたメイクも涙でぐちゃぐちゃだ。
そんな私を覗きこむ。
こんな間近で見られるなんて……
花火が私たちを照らす
いつもは感動でしかない花火が
今日ほど 嫌だと思ったことはなかった。
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作者名：ひな | 作成日時：2014年8月20日 14時
