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………………
左手に唐揚げと ポテトの入った袋をぶら下げ 右手は潤くんに引っ張られる。
手首に引っ掛かった巾着が不安定に揺れる。
涙を左の手の甲で拭うとビニール袋がガサガサとほっぺたに当たった。
………………
潤「嘘じゃねーし。」
……………………
「うそだ、公園で見たし…」
潤「 あれは 誤解」
………………
「べつにいいよ！今さら…
妹に言い訳なんて！
関係ないでしょ？」
…………………
その事には答えない。
「ねぇ！聞いてる？」
……………
もう、私の声は聞かないと決めたのか
答えてもくれない。
…………………
強気な口調とはべつに涙は止まんなくて
ガサガサと音をたてて、涙を拭う音が私と潤くんの間に響く
潤くんは変わらず真っ直ぐ歩く
少し速度は落ちたけど海岸沿いを真っ直ぐ歩く。
…………………
ねぇ、
………………
「…ねぇ！」
今度は潤くんの方が口を利かない。
………………
怒ったのか、呆れたのか
どんな顔をしてるのか 後ろからはわからない。
答えない潤くんに苛立った。
自分が口利かなかったことなんて棚にあげて苛立った
どんな顔をしてるのか
精一杯の力で、
繋いだ手をぎゅうっと握る
身体の重心を思いっきり後ろにかけて
ズズっと足を踏ん張る。
…………………
..............
「ねぇ！
…お兄ちゃん！」
………………
そう言ったら、何故か私の方が堰を切ったみたいに 余計に涙が出た。
なんで私、泣いてんだろう...
動きが止まった潤くん
ゆっくり、ゆっくり私の方に顔を向ける
屋台の明かりと街灯で半分だけみえた顔はいつもの潤くんじゃないような気がした。
...............
潤「…お兄ちゃんて 呼ぶなよ…」
そう言った潤くんにぎゅうっと胸が苦しくなった。
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作者名：ひな | 作成日時：2014年8月20日 14時
