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その夜、夢を見た。
これまた、変な夢。
俺は懐かしい誰かと
二人で話してる。
ずっと 会いたかった人
内容なんて よく覚えてないけど、
嬉しいと思ったし、懐かしいと思った。
そんで、
彼女とあの桜の木を眺めるんだ。
すると、
見える空は桜色に染まってて
俺たちと桜の間に優しく風が吹く。
キラキラと花びらが舞って
儚く散っていく花びらに
胸がぎゅうって苦しくなる。
桜が綺麗、過ぎて。
ぎゅうっとなるんだ。
……………………
それだけじゃない、
…………………………
胸が苦しいのは…
彼女が寂しそうに笑うから。
届きそうで、届かないから。
はっきりと顔は覚えてない。
「笑ってよ…」
そう言うと
「智くんは、幸せ？」って笑うんだ。
………………………
"君がいなければ、幸せじゃない。"
…………………
カーテンの隙間から日が射し込んで
その眩しさに、ハッと目が覚める。
……………………
耳の隙間に涙が入り込んで
自分が泣いてることに、気づく。
何年ぶりだろう？泣いて目が覚めるなんて。
なんだ？今の夢。
でも、目が覚めるとそれがはっきり夢だとわかる。
顔なんて覚えてなくて がっかりしてる自分がいる。
泣いた自分にビックリする。
「君がいなければ、…幸せじゃない。」
夢の中で思ったことを 声に出してみた。
俺は彼女に、ちゃんと伝えたのかな。
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作者名：ひな | 作成日時：2014年11月26日 15時
