【五条悟】ドSクズと何故付き合う事になったのかって話【呪術廻戦】

36.こっちの気も知らずに ページ37

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『あ、これ可愛い……』



試着室の外で、そんな葛藤を繰り広げている俺の事など露知らず、試着室からまたも呑気なあいつの声が聞こえてくる。



『五条！……って、あれ？何で蹲ってるの？』

「……うるせー、なんでもねーよ……」



あいつが再び試着室から出てきた。



しかも今までで1番似合う格好をして。



『これいいなぁ……』



オフショルになってる淡いピンクのワンピース。



俺の気も知らないで、あいつは嬉しそうに試着室の鏡に映る今着ているワンピースを見ていた。



マジであの後に1番似合う可愛い服着てきてんじゃねぇよ、また俺の息子が元気になんだろふざけんな



『あ……じゃあ次の着』

「良い、それ着たまま私服持て、他のやつは戻しとく」

『え？』



どうにか気合で息子を鎮め、次の服を手に取ったあいつの腕を掴んで止める。
ついでに試着室に積まれていた他の服も全部俺が手に取ると、さっきまで着ていた私服はあいつの手に持たせ、ワンピースは着たまま試着室から追い出した。



『なっ、え？』

「……後は靴だな、その服にスニーカーはふざけてるとしか思えねぇ」

『えっ、言い過ぎじゃない……？普通にワンピースにスニーカーってあるけどな……』



幸い、この服屋は靴もいくつか置いている。
その中から、今のこいつに似合いそうな……白いサンダルを手に取って、問答無用でスニーカーを脱がせそれを履かせた。



「……」

『……』

「……」

『……ご、五条……？』



……後はこれだな。



最後にピンクのリボンを手に取って、レジへ。
カードで一括。



未だに『えッ、買ってくれるの？本当に？！本気だったの？！えッ、待っ、』なんて言っているこいつは無視して、店員に紙袋にこいつが元々着ていた私服とスニーカーを入れるよう頼むと、紙袋を受け取って店を出た。



そして最後にピンクのリボンを渡す。



『え、っと、？』

「これでポニーテール」

『へ？』

「早くしろよ」

『え？あ、う、うん……』



俺に言われるがまま、あいつはショーウインドウに反射する自分を見て、ピンクのリボンでポニーテールを作った。



『で、出来たけど……』



は？すげぇ可愛い、



俺を見て首を傾げるこいつに、思わずそんな言葉が口をついて出そうになったが、寸での所で飲み込んだ。




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