【五条悟】ドSクズと何故付き合う事になったのかって話【呪術廻戦】

27.術式 ページ28

.


初めて任務というものに同行(見学)した日に、クズ……もとい五条に助けてもらってから、ちょっと呪力を操れるようになった程度じゃ呪霊相手に太刀打ち出来ないと身に沁みて分かった私は、次は自分が持っているという術式を使えるように訓練してみる事にした。



とは思ったものの、まずは自分の持っている術式が一体全体どういうものなのか、っていうのを把握するところから始めなきゃいけなくて。



「そもそもAの持ってる術式ってどんな名前なの？」

『ん〜と、確か……軌道遷移？だっけ、一応それについて書かれた巻物みたいなのはあったんだけど、殆ど破れてて……基本的な事しか……』

「軌道遷移ィ？訳分かんねぇ名前〜」

「いやでも、術式ってのは割とそのまま名前通りだったりするから……何かしらの軌道を……遷移……変えれる？とか？」

『そうそれ！それだけは読めたんだけど、他は破れててあんまり……』



傑と硝子に相談したはずなのに、例によって何故かクズも居る。
しかもクズは私に会うたび、お前今度俺の荷物持ちだからな、忘れてねーだろうなとか何とか言ってくるので、助けてもらったお礼は必ず荷物持ちで返さなきゃいけない事になっている。



『えっと、ちなみに皆は……硝子が反転術式、傑が呪霊操術、でク……五条は無下限呪術？だったよね』

「おい今俺の事またクズとか言おうとしたろ」

『ていうか、軌道を変えれる、って……なんの軌道の事なのかな、呪力の事？』

「おい無視すんな雑魚、てか呪力なら俺や傑だって出したい方向に出せるわ」

「呪力の軌道を途中で変化させられる、とか。ただ曲線状に呪力を当てるのは、悟の言う通り確かに私も悟も出来る」

『分かった！直角に曲げれるんだ！ビュンビュンって！それなら傑もク……五条も出来なッ、いだだだだ！！』



五条って言い直さなきゃ良かった、やっぱりこの男はクズだ。



完全に無視している私に、不機嫌度がMAXになったのか遂にクズが手を出してくる。
お馴染みの頭を拳で両側からグリグリする嫌がらせだ。



これってされた事ある人は分かると思うけど、結構痛いんだよね、しかも五条の手は骨張ってて大きいから何倍も痛い！
ほんとこんなクズに任務で助けられたとか一生の不覚だよ！



涙目になりながら、絶対に五条をいつかコテンパンにして泣かしてやる！と誓った。





.

28.試し撃ち→←26.帰り道

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す