11.ありがと ページ12
憂｢それにさ人の事はどうでもいいって言ってたけど、そうだとは僕は思わないよ。｣
『は？』
憂｢だってAさんは真希さん、狗巻君、パンダ君をいつも大事にしてるでしょ？
僕が初めて来た時も3人を里香ちゃんから守るようにしてたし｣
自分では自覚してなかった。
3人を守るのは当然だと思っていたから意識的にそう思ってなかった。
憂｢皆大切な人なんでしょ？｣
『…まぁね。
うっさいよ…』ﾎﾞｿｯ
Aは憂太には聞こえないくらいの声で言った。
少し顔が赤くなっている。
私にだって大事にしたい人はいる。
ただそれ以外がどうでもいいってだけ…
大切な人がいるから私も自分でいられてるし、守りたいって思う。
真希達だけじゃない…お母さんもそうだった。
『…この髪ゴムね、お母さんの形見なんだ。
紫の方だけだけど』
憂｢あ…そうだったんだ。ごめんなんか…｣
『いいよ、もう寂しくないし。
これがある内はお母さんが私を見守ってくれてるから』
Aは紫のゴムを空に仰いだ。
母は非術師だったけど、呪いが見えて術式が使える父を気味悪がる事もなく優しく接してくれるような優しい人だった。
私に対しても変わらず愛してくれた。
6歳の時にお揃いとして私に赤、自分に紫の同じデザインの髪ゴムを買った。
父は禪院家の人間で大した術式じゃなかったから家の人達から良くない扱いを受けてそこから逃げた。
そして出会ったのが母だった。
でも、ある日の買い物帰りに母は呪いによって殺された。
それを知った父は私を禪院家に預けて自死した。
私の術式は禪院家相伝のもので才能もあったらしいから酷い扱いは受けなかった。
父はそれを理解した上で預けたんだろう。母方の家は父を忌み嫌っていたし…
でも呪術で人を見下す様な所にはいたくなかったから真希と一緒に家を出た。
当主候補として選ばれてもなる気なんてさらさら無い。
私が守るのは私が大切にしたい、一緒にいたい人だけ。
真希も棘もパンダも悟も…そして京都の高専の生徒の皆や何人かの呪術師も。
『私の願いが叶ったら髪ゴムを使うんだ。
誰も呪いに怯えない世の中になった時に…』
憂｢なんか…初めて笑った気がするね｣
『はぁぁ？私が今まで愛想ない女だとでも思ってたぁ？』
憂｢い、いやそうじゃなくて！なんかその…笑い方！初めて見た笑い方だなって！｣
『地味にフォローになってないぞー』
Aは憂太の頬を抓った。
…ありがと、憂太。
ちょっと嬉しかったよ
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高音(プロフ) - プスメラウィッチさん» 現在オチは決まってないのですが原作の展開次第ではなるかもしれないですね！応援ありがとうございます！頑張ります！ (2021年5月27日 19時) (
レス) id: b411e95559 (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ - 初めまして、この小説は五条悟オチですか？できれば五条悟オチでお願い出来ますか？続き頑張って下さい。応援してます。 (2021年5月27日 19時) (レス) id: 8685377221 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：高音 | 作成日時：2021年4月1日 21時
