10.真意 ページ11
『いつからそう思ってたの？』
憂｢最初の任務の時…子供の方背負ってくれたけどどっちかと言えば真希さんの心配してて、ちょっと違和感感じてた｣
結構バレてんじゃん。
ゆるゆるしてると思ってたけど鋭いとこある。
『…私ね、人を助けるとかどーでもいいの。
勿論呪術師もどうでもいい』
憂｢え…？じゃあ何で？｣
『私の願いを叶えるのにたまたま呪術師になる必要があっただけ』
憂｢…願いって？｣
『呪いのない世界』
不思議そうな顔をする憂太にそう言った。
憂｢呪いのない世界…？｣
『まぁ呪いって呪術じゃなくて人を襲う呪いの事。
呪術全てが無くなったらパンダもいなくなっちゃうし』
パンダは呪骸という呪いの籠った人形。
呪いの全てが無くなったら当然パンダもいなくなる。
『年間1万を超える呪いの被害者がいるのは聞いたよね？
それは不必要な死だと思ってるの。
だって呪いは人を殺す理由がない』
憂｢それは確かに…でも呪いを全部倒す方法なんて考えてるの？｣
『無い』
表情を一切変えずに言った。
憂太はまた｢え…｣と言わんばかりの顔をした。
『そんなの分かったら悟が全部祓ってるよ。
そもそも呪霊がどれだけいるかも分かんないんだから』
憂｢あ、そっか｣
『だから私はその方法を見つけ、それで全ての呪霊を祓う。
術士やってる理由はこんなもんよ』
憂｢そうなんだ｣
自分が呪術師をやってる理由は話したが、憂太はまだ腑に落ちてないような顔をしている。
『…人を助ける気がないというか、私に関係ない人はどうでもいいの。どれだけ良い人だろうとね』
憂｢？｣
『学校のあの子達もそう。
手を伸ばせば届く命だったから助けたしそういう任務だったのもあるけど…そうじゃなくて1人だったら呪霊だけ祓って助けなかったって可能性もあったと思う』
私は自己中心的な思考をしている。
人の事なんて考えてない。子供だろうと私が何も思わなきゃ助ける気なんてない。
『どう？最低でしょ私』
Aは笑った顔で憂太の方を向いた。
別に嫌って欲しくはないけど好いて欲しいって訳でもない。
見捨てたきゃそうすればいい。
憂｢どう…だろ。
正直理解はできない…でも最低だとは思ってないよ。
それが君の価値観なんでしょ？それを否定する理由はないよ｣
『…』
予想してない答えに驚いた。
少しだけでも否定されると思っていた。
憂太の顔は一切の曇のない優しそうな顔だった。
訳わかんない…何で貶しもしないのよ…
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 110人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
高音(プロフ) - プスメラウィッチさん» 現在オチは決まってないのですが原作の展開次第ではなるかもしれないですね！応援ありがとうございます！頑張ります！ (2021年5月27日 19時) (
レス) id: b411e95559 (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ - 初めまして、この小説は五条悟オチですか？できれば五条悟オチでお願い出来ますか？続き頑張って下さい。応援してます。 (2021年5月27日 19時) (レス) id: 8685377221 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：高音 | 作成日時：2021年4月1日 21時
