【鬼滅の刃】助ける為に戦え！！〔成り代わり〕

25.鬼の目にも涙… ページ32

手｢(鱗滝…！)｣

手鬼を斬ったAと戦国、慶応の時の鱗滝の姿が重なった…
手鬼の首が落ち、地面に転がる。


手｢くそ！くそ！くそぉー！体が崩れて消えていく…止められない…くそ…最後に見るのが鬼狩りの顔だなんて…｣


鬼は倒した……でも…


強い悲しみの匂いがする…



私は鬼に哀れむような目で転がった鬼の首を見つめた。


手｢どうしてこんな事に…｣



……………

？｢怖いよ……夜に一人ぼっちだ…兄ちゃん…どこだい？俺の手を握ってくれよ…いつものように…｣


暗い世界に1人の少年が泣き崩れていた。


？｢どうして…どうして俺…兄ちゃんをﾞ噛み殺しちゃったんだﾞ…｣




手｢あれ…？兄ちゃんって…誰だっけ？｣

……………



『悲しい匂い…』


消えていく手鬼の体に寄っていき、手鬼の手を握ってあげた。

何の安心も出来ないかもしれないけど…これで少しでもマシになってくれたらいいな…



手鬼は……その優しさに大粒の涙が流れる…。


『神様…どうか…この人が今度生まれてくる時は…鬼になんて…なりませんように…』


Aは目に溜めていた涙がこぼれ落ちながらその手をより強く握る…





手鬼は最後に人間の頃の記憶を思い出しながら……消えていった。


『……成仏…してね…』


泣きながら手を合わせて手鬼に拝んだ。
錆兎と真菰の話を聞いた時は本当に怒った。

でも…鬼も鬼なりの悲しみがあった…


『(錆兎…真菰…そして殺された他の子供達。勝ったよ…もう安心していいよ。)』


Aをずっと見守っていた殺された子供達は狭霧山の奥へと去っていった。
最後に真菰が｢ありがとう｣って言った気がした。


『(きっと…約束通り帰るんだね。魂だけになっても…狭霧山に……大好きな鱗滝さんの所へ……

死んでたら私の魂も帰った…)』



でも…


私はまだ死ねない理由がある…

変な事言わない私！



まだ選別は終わってないんだから！

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