男子のギモン ページ4
ﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘ…
ッバァンッ!!
『……るさい』
枕元で騒がしく鳴る目覚まし時計に、ストレス発散するかのようにチョップを落とす。
少し手が痛い気がするのはきっと気のせい。
『……はぁ…。』
……眠い。
結局、昨日はそのまま帰って布団にダイブしたんだっけ。
布団からうつぶせのまま、ずるりと這い出て、のそりと立って着替え始める。
そういや、妹の夏南が
「お兄ちゃんの起き方めっちゃキモい。」
ってウジ虫を見るような目で言ってきたことがあったな……
気にしないけど。
一階に降りると、母さんと夏南が同時に「はよー。」と言ってきたので、俺も『はよー。』と返した。
『あれ、今日は朝ご飯、パンなの？』
いつも望月家の朝食は米なのに、今朝の机の上にはパンが乗っていた。
すると母は、片頬に手を添えると、申し訳なさそうに
「えぇ、ちょっと米と味噌と豆腐と魚と野菜と冷凍食品を切らしちゃって。」
と言ってきた。
ちょっと待て。
『それじゃ冷蔵庫空っぽじゃん!!ちょっとどころじゃなくね!?』
誰か母さんのボケを止めて欲しい。
椅子に座ってパンをとる。
まぁ、パンは嫌いじゃないしね。
ここはベーシックにバターと蜂蜜で…
「お兄ちゃん!!これは私の蜂蜜!!」
うっわでたぁー、妹のＭＹ蜂蜜。
ほら、女子がよくつくる＜ＭＹブラシ＞とか＜ＭＹ箸＞とかそういう系。
あれ何なんだろうね。
菌が移るとか思ってんのかな。
俺一応毎日風呂入ってるし、歯磨きもしてんだけどなー…
とりあえず、
『へーへー。』
そう言って、別の蜂蜜をとってバターの周りに円を２回描く。
うん、我ながらうまく描けた。
『いたらきやふ。』
＜いただきます＞の３文字辺りからもうパンを口に入れ、１６口で食べると、スープに手を伸ばす。
今日のスープはキノコと鳥肉のコンソメスープだ。
まず具を食べると、あとはスープで飲み下した。
ここで時計を見ると、７:０１と記されていた。
あと５分以内には家を出たいな…
洗面所へ行き、３分で歯を磨き、階段を３秒で駆け上がり、鞄をとって２秒で降りる。
７:０４。いいタイム。
『行ってきます!!』
「「行ってらっしゃい。」」
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作者名：篠屋裕季 | 作成日時：2015年8月17日 13時
