You with me 【9】 −Ryosuke.Y−

431．Syori.S ページ35

勝利 side






・






涼介「そして、大ちゃんたちが

　 行った後も、俺らに気を遣って

　 わざと大声で話してたんだろ？」






勝利「…。」






・





“違います”…なんて言えなかった。

全部…そのとおりだったから。







・






勝利「…知りたかっただけなんです。

　 A先輩が、どうしてそこまで

　 先輩のことを好きなのか。」






涼介「…。」






勝利「知らないですよね。涼介先輩が

　 夜ご飯の前に1人で部屋に

　 戻っちゃったとき…A先輩

　 凄く不安そうな顔で、周りの話

　 なんか聞こえないくらい…

　 涼介先輩の事考えてましたよ？」







涼介「…！」







勝利「そして、先輩を呼んで戻ってきた後も

　 周りには笑顔で接してました。

　 あの仲良しの裕翔先輩にもですよ？

　 そこまでしてどうして…先輩の事

　 好きなのかなって。」







・





A先輩はきっと嘘が

つけないタイプ。

それは一緒にいれば分かる。








楽しい時はおもいっきりはしゃぐし

泣きたいときは泣く。

怒りたいときはほっぺを膨らませて怒るし

困っている人がいれば…体が先に動いて

その人の心に寄りそう。






こんな人、今時…そうそう、いない。





・






勝利「…A先輩、すっごい笑顔なんです。

　 涼介先輩の話してる時だけ。」






涼介「…そんなこと…。」







勝利「そうなんですよ！…俺とどんなに

　 話してたって、涼介先輩の話に

　 なったら、もっと笑顔になるんです。

　 例え落ち込んでても…その笑顔は

　 いつも輝いているんです。」






・





そう。だから、その笑顔を俺にも

向けて欲しいと思って…

わざと冗談で…俺の好きな人の

タイプを誤魔化したのに…。






・






勝利「照れてもくれませんでした…俺に。

　 その時もずっと…不安そうな顔

　 してました。きっと、どう仲直り

　 しようか考えていたんだと思います。」






・







勝利「A先輩には…あなたしか

　 ダメなんだって思って…

　 開き直っちゃいました。

　 だから、あの時、あんなことしたのかも

　 しれません。」







涼介「勝利…。」








勝利「先輩。A先輩は…先輩が

　 思っているよりもずっと

　 先輩の事が大好きですよ。

　 だから…これからも隣で

　 支えてあげてください。」








・

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