SAO～君と出会えて幸せです～ (ページ9)

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挑戦　② ページ9

ある所に、うす暗い道の中Aの手を取って走っている少年が居た。
どうやら引っ張る力が強いようで、引っ張られているもう1人の子は一生懸命走っているようだった。

「あ、あの…」
声をあげても、フードの下だからか聞こえていない様子。

「あ、あの…ってうわっ！」

「…あ、ごめん！」

ようやく止まった…疲れたぁぁ

「あのさ…何で君まで付いてきたの？さっきの事は俺1人で…」
そう、あの事は俺が1人で背負わなければならなかったんだ。今まで、自分の事しか考えていなかった俺の罪だから。

「…僕は、ずっと1人で。ソロでプレイしてきたんだ、βテスターだから。君もβテスター。それなのに、あんなβテスターが批判されている中1人で背負おうとした。僕なら、あんな勇気なかったよ…w君と僕は同じ”罪”がある。ならさ、1人で全βテスターの罪を背負うんじゃなくて2人で背負った方が良いでしょ？って、相変わらず僕説明下手だなぁ…w」

こいつ…βテスターへの批判が酷くなった時に自分もって言ったんだ…それのどこが勇気ないだよ。
そんな笑い方して、弱々しくてすぐに壊れてしまいそうなのに…

「君は…βテスターなんだよな…」

「そうだよ…βテスターね、ビーターの方がこんな僕にはお似合いかもね」
ビーターって、あいつらが言ってきた言葉だぞ…俺を批判する。
でも、支えられる言葉は何も言ってあげられない。そんな事ない、と言おうとした俺の言葉を遮るように

「…ごめんね、君に全部背負わせようとした事。この現状から背を向けていた事…全部、全部」
と、言いながらぽろぽろと涙を流した。

「泣かないで、A。お前はちゃんと前を向いたじゃないか…俺はそれだけでも凄いと思うよ」
俺は今の俺に言える精一杯の言葉をかけながら、Aを抱きしめた。

「罪は俺1人で抱える。君は、あいつらの所に戻って」
そう言うと、Aは驚いたように俺の方を見上げた。フードで顔は見えないけど、その様子からそうとう驚いている事は伝わった。しかし…

「行かない」

その言葉が俺の頭の中を埋め尽くしていた。