1人のヒーロー�� ページ12
「A！」
…キリトか。全く、今ちょっと悩んでたのに＿
「何？」
「…いや、特には。てか、レベリングしながらボーっとするのは危ないから気をつけろよ」
「ん、キリトに言われなくても大丈夫」
だって、今までもそうやって過ごしてきたし。
Aは心の中でキリトへの文句を言いながら返した。まぁ、少しトゲのあるような言い方になってしまったが。
「さっきの可愛さはどこ行ったんだよ…」
キリトは独り言のように呟いた。
しかし、その横にいるAは少しイラついたような顔でその様子を見ていた…なぜなら
「…あのねぇ、全部聞こえてるんだよ」
「え？」
そう、Aにはキリトの独り言が全て聞こえていたのである。
「それよりも、キリト。もう周りもかなり暗くなってきた。帰らない？」
そういえば…どこに帰れば良いのかな。
この世界で野宿なんて危険な事してたら、絶対に死んでしまう。
「…なぁ、A＿いや、まぁ良いや。着いてから聞くな。」
「…？」
キリトの歯切れの悪い返事に、疑問を抱きながらも
歩いて行くキリトの隣へ走って行った。
＊
「…そういう事」
着いて分かった。キリトの歯切れの悪かった返事の理由が。
同室で寝る事になるからだ…
「えっと…大丈夫？」
「何が？」
「え、いやだって…年頃の女子と男子が同室だしさ…そう同室だし＿」
キリトは自分の言葉を繰り返し、1人で顔を真っ赤にさせている。
何がそんなに恥ずかしいのか、Aには分からないようだったが…
まぁ、鈍感と言うのかただ単に気にしていないのか。それはまた別の話である。
「ほら、キリト。入ろう？」
僕はキリトの手を引っ張って、部屋の中に入る。
目に入ってきたのは、ベッドと小さめのテーブルが置いてあるだけの部屋。
必要最低限とでも言ったところか。
「あのさ、そのここで大丈夫だった？」
「別に、必要最低限あれば人間生活出来るんだしさ」
「…まぁ」
その時のキリトにはもう、さっきの可愛さはどこに行ったのかと言う言葉しか出てこなくなっていた。
「じゃあキリト、見たけりゃ見ても良いけど、僕着替えるから」
このゲームではゲームのシステムで、一瞬で着替える事は出来るのだが
僕は自分で装備を取る。まぁ、あまりに脱ぐのが大変なのはしないが…
「み、見るわけないだろ！」
「そりゃ、そうでしょ…w」
そう言い残して、キリトは部屋を立ち去った。少しからかいすぎたかもしれないな…w
「さて、誰もいなくなった事だし…フードも取るかぁ」
キリトが戻ってくるのは10分後くらいだろう。
それまで、フードは取る事にした
続く (更新停止中)
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作者名：星河 瑠衣 | 作成日時：2020年9月26日 15時
