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むいくん 3 ページ3

「……わからないのって、それ?」

「うん」

「数学とかそういうのだと思ってた」

「僕数学得意だし」


無一郎君は保健体育の教科書を開き、ノートと照らし合わせながら線を引いている。
先日授業で習ったところ……赤ちゃんはどうやって産まれてくるのか。
妊娠の仕組み、知識のない性行為の危険性等を先生が真剣に話してくれた。


「女の子って大変なんだね」

「え?」

「鼻からスイカって無理でしょ」

「あー、あははそれね。すごいよね本当」


出産の痛みを先生が例えて言ったこと。
それを聞いて無一郎君は怖くなったと言っていた。

「ねぇ、A」

「ん?なに?」

「これはどうして?」

「え、と。私もわからないけど、刺激を与えたら出る……とか?」


母乳の仕組み。出産後どうしてそれまで出なかった母乳が出るようになるのか?
詳しい事が書いていなくて無一郎君は、ずっと疑問だったと言っていた。

「試してみようよ」

「…………え?」

「Aも気になるんでしょ?試してみよう」


固まる私をよそに、無一郎君は私の目の前に移動し、にやりと笑ってこう言った。

「良いでしょ?」

「えっ……ちょ、無理無理!!無一郎君!ストップー!!!」

なんの遠慮もなく私のちっぱいを触ろうとしている無一郎君を全力で止めた。

「何?僕勉強の邪魔されたくないって言ったよね」

「いや、そうだけど……これはおかしいよね?!」

急に不機嫌になった無一郎君。
だけどおかしいよやっぱり!!!

「どうして?まさか僕に下心があるとでも思ってるわけ?」

「……」

「黙ってたらわかんないんだけど。」

「ご、ごめん。でも……」

「これは勉強だよ?保健体育の勉強。ね?」


そう言ってまたもや無遠慮に手を伸ばす無一郎君から後ずさり逃げているうちに、ドンッ、と壁にぶつかった。

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さくら姫 - 刀鍛冶のノベライズ読んでからむいむいにハマったので、読んでいて凄くドキドキしました(つω`*)私ならぜひ!と言って無一郎くんに触らせますけどね‪w(/// ^///) (2022年3月31日 13時) (レス) @page5 id: 26819c7c82 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 駄作なんて全然そんなことないですよ。素晴らしい作品ありがとうございます。これからもポジティブに頑張ってください!! (2022年3月24日 1時) (レス) @page5 id: fb1d41063f (このIDを非表示/違反報告)
炎香(プロフ) - 雪さん» ありがとうございます😭 そう言っていただけると救われます🙇‍♀️ (2021年10月6日 18時) (レス) id: a219c056d8 (このIDを非表示/違反報告)
- 面白っかたですよ!お疲れ様です! (2021年10月4日 23時) (レス) @page5 id: 0d42b433ed (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:炎香 | 作成日時:2021年9月5日 8時

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