ATK 19 ページ19
再び目覚めた時、そこは見知らぬ天井だった。
「橘A!」
「……え、あの師範、ここは蝶屋敷では無いのですか?」
「……今、なんて言ったんだ」
「え?蝶屋敷では無いのですかと」
「違う、そのまえだ。俺が誰だかわかるか?」
「何言ってるんですか?師範は私の先生で……ってあれ??なんだろこれ……」
混乱した。だけど、あれは確かに私の記憶だった。
その後で、お前も思い出しちまったのか、そう宇髄さんが言ったことで全てを思い出した。
「ねぇ、A、俺は?忘れたとか言わないよね?」
「善逸。我妻善逸、忘れるわけない。ずっと一緒だったじゃん。1人で任務行けるようになるまで、ずーっと付き合ってたのは私だよ?」
「本当にお前は…………馬鹿やろおお!」
グズグズ泣きわめく善逸を容赦なく引き離して黙らせた宇髄さん。
病院だしね、ここ。善逸うるさいよ本当。
「あの、私混乱していて……千寿郎君は無事ですか?」
「あぁ、千寿郎は大丈夫だ。」
「良かった。守れたんだ……」
「すまない、宇髄、我妻少年。Aと2人にしてくれるか」
師範、こと煉獄先生がそういうと、2人は黙って頷いて、部屋を出ていってしまった。
「どこまで思い出したんだ?」
「私、千寿郎君を守らなくちゃって思って、下弦と戦ったんです。だけど、頸を切った後が思い出せなくて。」
そこまでの記憶はぶわーっと流れ込んできたのに、そこから先はまだ思い出せていない。
素直にそう伝えたら、煉獄先生は静かに私の手を取り真剣な眼差しを向けた。
「思い出せない筈だ。君はあの日、千寿郎を守ってくれた……と、同時に命を落としたのだから。」
「え……?」
「俺が君に頼まなければ良かったのかと、後悔ばかりだった。」
「でも、私、守れたんですよね?今回も、前回も。」
「あぁ、そうだ。」
「なら、ごめんよりありがとうの方が嬉しいです。私は千寿郎君の為なら死んでもいいって思うから」
へへ、なんてこの場に合わないようなふざけた笑いを浮かべて煉獄先生の方を見たら、煉獄先生も眉を下げて息を吐くように笑った。
「君は昔からそうだったな。だから俺は、君には絶対に千寿郎をやらんと決めたんだ。」
「……なぜです?」
「忘れたのか?俺と勝負して、君は負けた。あの時の約束を。」
「あ、」
「その様子だと思い出したな!」
「いえ、」
「今日はまだ疲れが残っているだろうからゆっくり休むといい!!また、後日続きを話そう!」
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炎香(プロフ) - はむえっぐさん» 私のが初めてだなんて恐れ多いです💦ぜひ読んで欲しい作品が沢山ありますので鬼滅沼へようこそって感じですね!笑 心臓大丈夫ですか?😂すごく嬉しいです!読んでくださってありがとうございました(。_。*) (2021年9月29日 14時) (レス) id: a219c056d8 (このIDを非表示/違反報告)
はむえっぐ - はじめまして!!完結おめでとうございます!!!鬼滅の夢小説読むの主様が初めてだったのですがハマりました!!笑笑最後の解説で意味がわかったときはもう、、、心臓潰れました^^本当にありがとうございました!!! (2021年9月28日 23時) (レス) @page23 id: fffe7db0be (このIDを非表示/違反報告)
炎香(プロフ) - まゆさん» わぁすごい嬉しいです……!めちゃくちゃ頑張れる気がしてきました!!ありがとうございます! (2021年9月20日 11時) (レス) id: a219c056d8 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ(プロフ) - これからも更新楽しみにしてます! (2021年9月20日 10時) (レス) id: 3becc2e6ce (このIDを非表示/違反報告)
炎香(プロフ) - myaさん» ありがとうございますm(*_ _)m思いつきのネタで投稿したら大変なことになっていたので驚きましたが、頑張りますのでよろしくお願いします(o_ _)o(o_ _)o (2021年9月2日 7時) (レス) id: a219c056d8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:炎香 | 作成日時:2021年9月1日 13時