だって好きなんだもん！！【煉獄杏寿郎】

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「何故千寿郎なんだ？！」

「…………好きだから？」

「君は俺の恋人だろう？！」



杏寿郎に私の秘密がついにバレてしまった。
長年撮りためた私の心のオアシス、千寿郎君の盗撮写真達を収めたアルバムが見つかってしまった。

ちょうど9冊目が埋まった為、10冊目に収める写真を吟味していたタイミングで、すやすやと寝落ちしてしまった私が全面的に悪いのだけれど。

目が覚めたらそこは地獄でした。

私の千寿郎君アルバム1冊目から全部見たらしいよ。


そしそのあとは冒頭に戻るわけなんだけど、この質問何回目だよ。


「杏寿郎と千寿郎君は別ジャンルな訳よ」

「意味がわからない！！」

「千寿郎君は私の癒し、心のオアシスなの」

「俺は違うのか？」

「杏寿郎は可愛くないじゃん？」

「確かに可愛くはないな！」

「ね？そういう事なの。お願いだから目を瞑って？」

「そうはいかんぞ！それにこれは盗撮だろう？兄として認める訳にはいかない！！」


杏寿郎は私のアルバムをまとめて持って帰ると言い出した。
無理なんだけど？？？？？

私の癒しは？心のオアシスは？？？？？


「杏寿郎、私をいじめるの……？」

「そんなつもりはないさ！君が盗撮をしているという事実がどうにも気に食わない！更にそれが千寿郎なのだから尚更だ！！」

「千寿郎君に嫌われたら生きていけない」

「安心しろ！千寿郎には言うつもりは無い！！」

「本当に？」

「本当だ！！」



そういうと杏寿郎はにっこりと微笑んだ。

私はもう泣きたかったよものすごく。



「では、これは俺が預かるぞ！」

「…………はい」

「A、君が今後盗撮なんてしなくてすむように俺が毎日千寿郎の写真を送ろう！！」

「え？本当？！」

「あぁ！本当だとも！！楽しみにしていてくれ！！」

「杏寿郎大好き！！」

「そうか！俺も好きだ！！」


わはは！と大きな声で笑った杏寿郎が大きな箱を抱えたまま部屋を出ていった。

私のオアシスは持っていかれてしまったけれど、杏寿郎が千寿郎君の写真を送ってくれるということは、合法で家の中での素の千寿郎君が見れると言うこと。

なんて幸せなことなのだろうか。

持つべきものは杏寿郎だよ本当に。

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