検索窓
今日:5 hit、昨日:5 hit、合計:16,565 hit

35 ページ36

下女に花様の居場所を聞くと、4階の中央の間にいるであろうと言うことだった。4階には真ん中に大部屋がひとつと、それを取り囲むように中小部屋が8つあった。そこで晩酌をして楽しむのだ。




 一段一段の間が広い階段を登って行く途中、3階の所である色を見た。闇に囲まれた炎のような光景。紺色の単衣の中に紛れた、猩々緋色の着物。倒れているが、誰一人として声を掛けない。




 「花様!」




 平穏がピストルで撃たれた。




 汗だくになった花様は、廊下の端で息を切らし横になっていた。病み上がりで体力のない時に手伝ったからだ。




 「花様、いかがなされましたか?」




 花様を抱きかかえ、背中に自分の腹をつけると、ぺたんという感覚がきた。生地が汗を染み込ませ元の弾力がなくなってしまったのだ。花様の腹にやった手は、物凄い熱気に満ちていた。




 花様は息を切らしたまま、俺の腕に顔を埋めた。そして、頭を振った。もう駄目だ。




 「俺がおぶりますから、行きましょう」

36→← 34



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.6/10 (36 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
9人がお気に入り
設定タグ:ローファンタジー , 歴史、時代小説 , 和風・東洋ファンタジー   
作品ジャンル:純文学, オリジナル作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

征我(プロフ) - この小説の背景画像が・・・欲しい!けどやり方分からない・・・ (2017年2月17日 17時) (レス) id: a30172f436 (このIDを非表示/違反報告)
レイチェル・ハジェンズ(プロフ) - アイアン・メイデンさん» まだまだ未熟者ですが、誉めてもらえると自信がつきますね! ありがとうございます(*^^*) (2016年1月28日 22時) (レス) id: 665ef5492b (このIDを非表示/違反報告)
アイアン・メイデン(プロフ) - コメント失礼します。作者様の文章能力の高さにすごく驚きました!自分なんて、まだまだだなぁ、としみじみ感じました。情景がすごく綺麗に書かれていて、心惹かれる様に感じました! (2016年1月28日 21時) (レス) id: 599729810b (このIDを非表示/違反報告)
月影櫻詠(プロフ) - レイチェル・ハジェンズさん» そりゃないぜハジェンス (2014年12月30日 12時) (レス) id: a24476e1ca (このIDを非表示/違反報告)
レイチェル・ハジェンズ(プロフ) - 月影櫻詠さん» ゆーあーくれいじー (2014年12月29日 23時) (レス) id: fc7cab67c2 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ナンシー・ハジェンズ | 作者ホームページ:   
作成日時:2014年6月12日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。