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猿はまたぶんぶんと激しく首を振り、私の発言を否定した。猿は一歩下がり、焦ったような口ぶりで、とんでもない! と言う。
「でも、付け足して言うなら……花様が大王の息子とやらに会ってみて、気に入らなかったら結婚しなくて良いんです。花様の結婚を決めるのはお父様ではなく、花様自身ですから」
私は、静かに頭を下げて、数度瞬きをした後、何かを得たような気分になった。
「そうだったな――」と呟いた。
そういえば小さい頃、猿に自分の未来の旦那様の話をしたことがあった。その時は、背が高くて力持ちで、お父様のように指が綺麗で字が上手くて――、という理想だらけだった。猿は笑顔で、会えると良いですね、花様ならきっとそのお方と結婚出来ますよ、と続けていた。
でも、私はいつも最後にこう付け足していた。
きっと私は大人になったら、この考えもきっと変わるんだろうな。今の理想が変わったとしても、私を幸せにしてくれる人と結婚したいし、他の人にあの人って決められたくないな。
猿は覚えていてくれたんだ。
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征我(プロフ) - この小説の背景画像が・・・欲しい!けどやり方分からない・・・ (2017年2月17日 17時) (レス) id: a30172f436 (このIDを非表示/違反報告)
レイチェル・ハジェンズ(プロフ) - アイアン・メイデンさん» まだまだ未熟者ですが、誉めてもらえると自信がつきますね! ありがとうございます(*^^*) (2016年1月28日 22時) (レス) id: 665ef5492b (このIDを非表示/違反報告)
アイアン・メイデン(プロフ) - コメント失礼します。作者様の文章能力の高さにすごく驚きました!自分なんて、まだまだだなぁ、としみじみ感じました。情景がすごく綺麗に書かれていて、心惹かれる様に感じました! (2016年1月28日 21時) (レス) id: 599729810b (このIDを非表示/違反報告)
月影櫻詠(プロフ) - レイチェル・ハジェンズさん» そりゃないぜハジェンス (2014年12月30日 12時) (レス) id: a24476e1ca (このIDを非表示/違反報告)
レイチェル・ハジェンズ(プロフ) - 月影櫻詠さん» ゆーあーくれいじー (2014年12月29日 23時) (レス) id: fc7cab67c2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ナンシー・ハジェンズ | 作者ホームページ:
作成日時:2014年6月12日 22時