暗い顔 ページ45
「A〜？どうしたの、暗い顔してる」
文化祭当日まで残り2日。花に水をあげる私の隣でしゃがんで両膝を抱えたチョンロは下から私の顔を覗き込んだ。そんな顔をしていたことに気が付かず、本当？と訊くと、うん、と彼は頷いた。
脳裏をよぎったのは、昨日の昼休みの出来事。あのあと結局先に入って行ったドンヒョクくんを追うように空き教室に足を踏み入れると、すでに人はいなかった。
忘れたいと思っても、ドライヤーで髪を乾かしていたり、夜ご飯を食べていたり、布団の中に入った時に、ふと思い出すのだ。
ナナの、可愛いと言ったあの顔を。
長い間黙ってしまっていたのだろう。私を心配するように彼は口を開いた。が、その瞳はパッと別の方向を向いた。
体育館のある方に向かった視線を追うと、入り口のところに立って話す男女がいた。ジャグを片手に持った男の子はジャージ姿で、女の子は制服を着ている。
チョンロはじーっとその2人を見ていた。その様子に気になることがあった。
「チョンロ、あの2人知ってるの？」
「え？あぁ、男の方は知ってるよ」
「俺が仲良い同じクラスの人がダンス部で、あの先輩が凄い可愛がってるって聞いてたから」そう続ける彼は純粋な瞳をしていた。傾けていたじょうろを元の位置に戻し、コンクリートの地面に置いた私は、彼の隣に同じように膝を抱えるようにしてしゃがんだ。
「女の子の方は？」
「ううん、知らない。でも最近よくあの2人が一緒にいるの見るなぁ」
ダンス部はチョンロが所属しているバスケ部の上の階で活動をしているため、よく見るらしい。あの女の子が最近よく体育館を訪れているのだとか。
次に耳に入ったのは、付き合ってるのかなぁ、という言葉だった。何気なく呟かれた、深い意味のない言葉。そうだと分かっているのに、その時の私にはなぜか重りのように心の奥深くに沈んでいった。
夏の終わりの風が背後からチョンロの髪を撫でた。その優しい風が忘れていた何かを運んできたように、あっと彼は声をあげ振り返って私を見た。
「そういえばA！俺ドンヒョギヒョンに怒られたんだけど！」
「えっ、なんで？」
「Aの足捻挫させちゃったやつ！」
確かにあれは俺が悪いんだけど、でもあのヒョン関係ないのにネチネチ言ってきてうざいんだよ？と迫ってくるものだから、思わず笑ってしまった。
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ジュン(プロフ) - ジンリさん» 初めまして！！わざわざ伝えにきてくださり本当に嬉しいですTT ナナ並みにショックを受けてもらえたなんて、感情移入していただけて嬉しい限りです（ニヤリ） 私も書いている身として、ナナの今後を全力で応援しております…！！ファイティン！涙 (2022年7月24日 23時) (
レス) id: 2f0aad5d81 (このIDを非表示/違反報告)
ジンリ(プロフ) - 2章おめでとうございます！感情の表現が繊細で笑いながら時にはキュンとしながら楽しく読ませて頂いてます！クラス替えでクラスを同時に言い合った瞬間、私もナナ並みにガビーンでした笑新たな登場人物も出てきて今後の展開も楽しみにしてます！ナナファイティン涙！ (2022年7月21日 3時) (レス) id: 2abf938477 (このIDを非表示/違反報告)
ジュン(プロフ) - ユユさん» え！嬉しいです〜！ありがとうございますTT ドンヒョクは個人的に不憫であってほしいなぁと思いこんな扱いをしてしまっています…フフ これからどんどん進展していきますので、楽しみに待っていただけると嬉しいです！:) (2022年7月20日 22時) (レス) id: 574c7b7109 (このIDを非表示/違反報告)
ユユ(プロフ) - いつもジュンさんのお話めちゃめちゃ楽しみにしてます！もう、ドンヒョクが不憫すぎて推せます(笑)いつか彼にも幸せが訪れますように••• (2022年7月18日 19時) (レス) @page5 id: 58a0b3a17f (このIDを非表示/違反報告)
ジュン(プロフ) - 感想･ご指摘、お待ちしております。お気軽にお声掛けください！:) (2022年7月18日 12時) (レス) @page5 id: 574c7b7109 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ジュン
| 作者ホームページ：http://commu.nosv.org/p/baekotowhani/
作成日時：2022年7月17日 20時
