不安なのが可愛いの ページ22
「お、ジェノありがとう！こっちこっち」
ドンヒョクやロンジュンが授業をやっている第2体育館を挟んだ第3体育館から救急セットを持って来ると、ケガをしたクラスメイトが体育館の隅に腰を下ろしていて、こちらに声をかけた。
盛大にこけたせいで、ふくらはぎに大きく擦り傷のようなものができてしまっている。薬を塗ったりガーゼを貼るのを手伝っているうちに、気がついたら授業が終わってしまっていた。
彼は歩けるようで、肩を貸そうとした俺に感謝を告げると1人でスタスタと歩いて行った。その後ろ姿を見送り、バスケットボールがたくさん入っている金属製の大きな入れ物を押して倉庫にしまっていると、背後からやってきたのはジェミナだった。彼は汗をタオルで拭きながら気の抜けた声を出す。
「お疲れぇジェノ」
「ジェミナもおつかれ、試合どうだった？」
「負けた」清々しい笑顔で彼はそう言った。相手チームにバスケ部が2人もいたらしい。ハンデが過ぎるよ、とブツブツ言っていた。
「でもね、俺ジェノが取りに行ってる間にシュート入れたんだよ」
「へえ、凄いじゃん」
「だよね。たまたまゴール下にいたらパス貰っちゃったからテキトーに投げたら入ったんだ」
ジェミンは基本的に動きたくないタイプの人間なので、どうやらさっきの試合の時もサボっていたそうだ。だけど、そういう人に限ってゴール下にいることが多いから、ボールをもらってしまう。それを彼は知らなかったらしい。
ふと、さっきのAちゃんとの会話を思い出した。隣を歩く彼に俺は口を開く。
「さっき第3でナユンのクラスが授業やってて」
「…ってことはAも？」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1217人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ジュン(プロフ) - ジンリさん» 初めまして！！わざわざ伝えにきてくださり本当に嬉しいですTT ナナ並みにショックを受けてもらえたなんて、感情移入していただけて嬉しい限りです（ニヤリ） 私も書いている身として、ナナの今後を全力で応援しております…！！ファイティン！涙 (2022年7月24日 23時) (
レス) id: 2f0aad5d81 (このIDを非表示/違反報告)
ジンリ(プロフ) - 2章おめでとうございます！感情の表現が繊細で笑いながら時にはキュンとしながら楽しく読ませて頂いてます！クラス替えでクラスを同時に言い合った瞬間、私もナナ並みにガビーンでした笑新たな登場人物も出てきて今後の展開も楽しみにしてます！ナナファイティン涙！ (2022年7月21日 3時) (レス) id: 2abf938477 (このIDを非表示/違反報告)
ジュン(プロフ) - ユユさん» え！嬉しいです〜！ありがとうございますTT ドンヒョクは個人的に不憫であってほしいなぁと思いこんな扱いをしてしまっています…フフ これからどんどん進展していきますので、楽しみに待っていただけると嬉しいです！:) (2022年7月20日 22時) (レス) id: 574c7b7109 (このIDを非表示/違反報告)
ユユ(プロフ) - いつもジュンさんのお話めちゃめちゃ楽しみにしてます！もう、ドンヒョクが不憫すぎて推せます(笑)いつか彼にも幸せが訪れますように••• (2022年7月18日 19時) (レス) @page5 id: 58a0b3a17f (このIDを非表示/違反報告)
ジュン(プロフ) - 感想･ご指摘、お待ちしております。お気軽にお声掛けください！:) (2022年7月18日 12時) (レス) @page5 id: 574c7b7109 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ジュン
| 作者ホームページ：http://commu.nosv.org/p/baekotowhani/
作成日時：2022年7月17日 20時
