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伝わらない ページ8

学校を出ると、予報通り2時頃よりかは落ち着いた雨が降っていた。

明日香は今頃
泣いているだろうか…


そう考えると落ち着いていられず、
千尋は明日香の家へと足を進めた。


千「あっ…」


明日香の家に着くよりも早く、
千尋は明日香を見つけることができた。


何人かに囲まれ
小さな公園の屋根の下に立っていた彼女は、
千尋を見つけて顔色を悪くした。


千「明日香!!」

千「あのね、さっきのことなんだけどね!」


必死に伝えようと、走りながら叫ぶ。

しかし、それは途端に遮られた。
明日香の周りにいた友達によって。


「あれ、千尋?」
「明日香の好きな人知ってて蓮に媚び売ったって本当?」

千「え…?」

「そっちはおめでたいかもしんないけどさぁ、ちょっとは明日香の気持ち考えたらどうなの?」

千「ちがっ、、私謝りにきたの!」


「謝るとかそういう以前に。あんた最低なことしたって分かってんの?明日香泣いてんだよ?」

千「それは…そうだけど……」

「聞いた?明日香。それはそうって完全認めちゃってるよ。」

「大体明日香の方が全然可愛いのに蓮もなーんでこんな千尋なんかに」

明「もういいよ、みんなも」

明日香がみんなの止まらない愚痴を
暗い声音で遮った。


千「明日香あのねっ」


明「千尋も。悪いけどもう話すのやめよ、てかちょっと話したくないかな。」

千「お願い話を聞いて!!」


明「聞きたくない。私帰るね。」


今までとは打って変わった、見たこともないくらい冷たい明日香の態度に
千尋はどうしたらいいか分からなくなった。

ただ、明日香の遠ざかる背中を見つめることしかできない。


「ねえ何ぼーっと突っ立ってんの?」

千「いった……」

不意に髪を乱暴にひっぱられて痛みを覚える。

「このゴムがそんなに大事だったわけ。」

千「あぁっ!!返してよ!」

相手にとられてしまったゴムを必死に取り返そうともがくが
そのゴムは踏みにじられ
雨が混じってドロドロになっている砂の中に埋もれてしまった。

無言で帰っていく相手たち。

千「誰か………」

雨が千尋を容赦なく打ち付ける。
手を泥だらけにして探し当てたゴムは汚れて、
少しも光りはしなかった。

消えてく、消えてく。→←どうしたらいいんですか…?



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設定タグ:千と千尋の神隠し , ハク , ジブリ   
作品ジャンル:恋愛
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やっさん - この作品、完全に映画の続きの設定ですね。千尋がハクと再会し、千尋がハクとの恋におちます。切ないこのだい一篇の結末ですが、まだまだ本番はこれからです!千尋の両親の運命は?続編お楽しみに!! (2018年8月12日 20時) (携帯から) (レス) id: 6ef490f023 (このIDを非表示/違反報告)
airi - な、涙が止まりません・・・、この作品最高です^^ (2017年1月4日 3時) (レス) id: ccd59f3af1 (このIDを非表示/違反報告)
さき(プロフ) - ふゆきさん» 返信遅れてしまってごめんなさい…!最後まで読んでくださって本当にありがとうございました(´;ω;`)嬉しいお言葉励みになります、ありがとうございます! (2015年2月21日 15時) (レス) id: 3184e8d971 (このIDを非表示/違反報告)
ふゆき(プロフ) - 最後まで見て感動でいっぱいでした。 (2015年2月9日 23時) (レス) id: 83691007b7 (このIDを非表示/違反報告)
さき(プロフ) - 楚誉さん» そんな事言っていただけで嬉しい限りです!いつも見てくださっているんですね、本当にありがとうございます(´;ω;`)続編にも突っ込みそうです…これからもよろしくお願いします!! (2014年12月8日 13時) (レス) id: 3184e8d971 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:さき | 作成日時:2014年11月29日 15時

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