深い傷 ページ40
千「はぁっ…はぁっ……」
お客さんのいる廊下を気にもせず全速力で走る。
ハクが
ハクが
何が刺さったのかよく分からないけど
血を流していた
きっと私を庇ったんだ…
千「開けて！！開けて下さい！！」
湯「…何だいお前は！いつもうるさいねぇ、そんなに喚かなくても」
千「ハクが危ないの、血を流してた…何か刺さってて……」
湯「…なんだって？今どこにいるんだい」
千「ツツジの木のお庭のとこ！ハクが私を庇って逃げろって…」
湯「…そりゃきっと闇の主だね、あんたを狩りにきたんさ。」
千「狩り…？」
湯「人間はこの世界じゃ高く売れるんだよ。お前のことがどこからか漏れてあいつが聞きつけたんだね。」
湯婆婆は鳥へと姿を変え
外へと羽ばたく。
湯「お前はきちゃいけないよ。いいね！！」
そう言い残して。
千「そんな……。」
千「ハクが…私のせいで……」
深く刺さっていた。
きっと痛いよね辛いよね
苦しいよね…
千「ごめんね……」
ふと外に目をやると、
そこには二匹の龍の姿。
千「ハク…？」
白い龍と黒い龍
光を放つ龍と
光を吸い込む龍。
お互い激しくぶつかり合ったりして
闘っているように見えた。
千「ハク！！！ハクやめて！！」
千「ハク！！！」
その声は届くはずもなく
黒い龍は白い龍に容赦なく噛み付く。
苦しそうに呻きながら
血を流すハクが見えた。
千「やだ…やだこんなの……」
千尋はその場に泣き崩れた。
・・・・・・・・・・
「ハクくん随分と弱っちいねぇ、そろそろ殺しちゃうよ？」
ハク「黙れ…私には守らなければいけない物がある……生きねばならぬ…！」
血を流しながら苦しそうに呻くハク。
「ふふ、それ千尋ちゃんのことでしょう？いいねぇ、そういう人の大事なの奪うの、ゾクゾクする……おっと…」
「ちっ…嫌なのが来た。まぁまた後で狩りにくるけど。魔女はごめんだなあ。」
そう言ってその龍は
太陽と反対の向きに飛んで行った。
湯「ハク！！しっかりしな！」
ハクは龍の姿で地面に倒れこみ
地が震えた。
湯「あんた…ここでくたばってどうするんだい」
湯「全く…最初から最後まで世話の焼ける弟子だね…」
ハクのことを
初めて「手下」ではなく「弟子」と呼んだ湯婆婆は、
人に姿が戻ったハクを
油屋へと連れ帰った。
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やっさん - この作品、完全に映画の続きの設定ですね。千尋がハクと再会し、千尋がハクとの恋におちます。切ないこのだい一篇の結末ですが、まだまだ本番はこれからです！千尋の両親の運命は？続編お楽しみに！！ (2018年8月12日 20時) (携帯から) (
レス) id: 6ef490f023 (このIDを非表示/違反報告)
airi - な、涙が止まりません・・・、この作品最高です＾＾ (2017年1月4日 3時) (レス) id: ccd59f3af1 (このIDを非表示/違反報告)
さき(プロフ) - ふゆきさん» 返信遅れてしまってごめんなさい…！最後まで読んでくださって本当にありがとうございました(´；ω；｀)嬉しいお言葉励みになります、ありがとうございます！ (2015年2月21日 15時) (レス) id: 3184e8d971 (このIDを非表示/違反報告)
ふゆき(プロフ) - 最後まで見て感動でいっぱいでした。 (2015年2月9日 23時) (レス) id: 83691007b7 (このIDを非表示/違反報告)
さき(プロフ) - 楚誉さん» そんな事言っていただけで嬉しい限りです！いつも見てくださっているんですね、本当にありがとうございます(´；ω；｀)続編にも突っ込みそうです…これからもよろしくお願いします！！ (2014年12月8日 13時) (レス) id: 3184e8d971 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さき | 作成日時：2014年11月29日 15時
