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闘志 ページ39

ハク「日が落ち始めてきたね…。」


起きてから今まであっという間だった。

この調子ではきっと
明日千尋が帰る時間もあっという間にきてしまう。


平凡に時間は流れ行く。
ただただそう思っていた。



刹那
龍は鋭く何かを感じとる。


咄嗟に千尋を自分の身体で覆ったその直ぐ後に


ハクの背中に何かが刺さった。



千「え……?ハク…?」


千尋はハクの背から血が滴り落ちているのを見て青ざめる。


千「ハク?!しっかり!!ハク!!!」


ハク「逃…げろ……」


千「え?」


目の前の事実に
足がすくんで動かない。


ハク「逃げろ!!!!湯婆婆の部屋へ!」


ハクは力が入らず倒れ込んだが
目と声だけを全力で鋭くして千尋に訴えた。


その気迫に押され
千尋は無我夢中で走っていく。



ハク「……何の用だ…。」


?「人間の娘が入り込んでいると聞いた。だからまぁ、狩りにきた。」


そこにいたのは
黒ずくめの男。

この世界の汚い部分を支配する
闇の化身とでも言おうか

人の情など全く分からない
血も流れていないような奴だ。


ハク「貴様っ…千尋に触れたら許さん、帰れ!!!」


「随分威勢いいねえハクくん、こーんなに深く刺さってるのに。」

そう言って
ハクの背中に刺さった矢をグリグリ押し付ける。

ハク「ぐっ……」

ハクはかつて湯婆婆に任命され
こいつを殺そうと試みたことがあったが

二人の力はまるで互角


お互い傷だらけになりながらも
どちらも死に切れなかった。


「人間は高く売れるんだよぉ、この世界に元々無い物だもん」


「あの子、千尋って言うんだ。随分ムキになってるみたいだけどハクくん、まさかあの子に恋しちゃった?」


ハク「……貴様に教える事など…何もない…!」


「ふぅん、どーでもいいけどさ、あの子どこ行っちゃったのー?」


ハク「黙れ…!これ以上千尋に近寄るならば…貴様の命は私が喰らう……」


「へぇー良く言うよこんな体で」


何も映っていないような冷たい目で見下し
笑いながらハクの腹部を蹴り上げて踏みにじる。


ハク「っ……うっ…」


「あーあだらしない、血なんて吐いちゃって」


「あれぇ?もしかして僕とハクくんの決着ついちゃった?ハクくんこのまま死ぬ?」


ハク「死ぬわけにはいかぬ…」


ハク「…死ぬわけにはいかぬ…!!!」


そう叫んだ次の瞬間
ハクは龍へと姿を変える。


「へぇー…やんの。」


ハクに対抗するように黒き龍へと変わった彼は
恐ろしい笑みを浮かべた。

深い傷→←春の麗らかな日差しに



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設定タグ:千と千尋の神隠し , ハク , ジブリ   
作品ジャンル:恋愛
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やっさん - この作品、完全に映画の続きの設定ですね。千尋がハクと再会し、千尋がハクとの恋におちます。切ないこのだい一篇の結末ですが、まだまだ本番はこれからです!千尋の両親の運命は?続編お楽しみに!! (2018年8月12日 20時) (携帯から) (レス) id: 6ef490f023 (このIDを非表示/違反報告)
airi - な、涙が止まりません・・・、この作品最高です^^ (2017年1月4日 3時) (レス) id: ccd59f3af1 (このIDを非表示/違反報告)
さき(プロフ) - ふゆきさん» 返信遅れてしまってごめんなさい…!最後まで読んでくださって本当にありがとうございました(´;ω;`)嬉しいお言葉励みになります、ありがとうございます! (2015年2月21日 15時) (レス) id: 3184e8d971 (このIDを非表示/違反報告)
ふゆき(プロフ) - 最後まで見て感動でいっぱいでした。 (2015年2月9日 23時) (レス) id: 83691007b7 (このIDを非表示/違反報告)
さき(プロフ) - 楚誉さん» そんな事言っていただけで嬉しい限りです!いつも見てくださっているんですね、本当にありがとうございます(´;ω;`)続編にも突っ込みそうです…これからもよろしくお願いします!! (2014年12月8日 13時) (レス) id: 3184e8d971 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:さき | 作成日時:2014年11月29日 15時

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